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《詩》

夏があった


燃やされてゆくのでした

あらゆる夏の緑が

夏の命が

夏を隅々まで渡る水までもが

燃え落ちて

灰となり

崩れてゆくのでした

夏が白くなり

死は透明になり

愛する四季は

行き場を失うのでした


静かな祈りに似た星が

ついに

燃え尽きました

燃やされたのでしょうか

燃やしたのでしょうか

燃えたのでしょうか

目の奥に残っていた炎の揺らめきさえも

消え去りました