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住宅ローンで煮詰まってしまったアナタへ#1

今、このページを読んでいるアナタ。
多分、住宅ローンについて「何かの悩み」を抱えていますね。
ほとんどの方が住宅を建てることが初めてであるのも関わらず、「一生で一番高い買い物」になります。
仕事で言うならば新入社員の初仕事で、会社の命運を賭けた一番大きな案件を任されたようなもの。
そんなときは、真剣に考えれば考えるほど悩みが増えるばかり。
最後は「なるようになれ」と開き直って、悩みが無かったことにして、勢いで家を建ててしまう方がほとんどです。
なので開き直る事に屈せずウジウジと悩んでいるアナタは貴重な存在。
とても賢明なアナタの助けに少しでもなれたら幸いです。


住宅ローンには「セカンドオピニオン」が必要

ここまで読み進めたアナタは、きっと本気です。
なので私も自己紹介します。
私はある金融機関で住宅ローンを扱う窓口部門の統括をしています。
この部門を預かって6年目になるのですが、その間に1,000件以上の住宅ローンに携わり、自らも100人以上のお客様から直に「さまざまな住宅ローンの悩み」を伺いました(仕事柄FP2級の資格も持ってます)。
そこで切に感じたのは、お客様の身の回りに、商売抜きで「悩みを聞いてくれる人」がいないという事です。
住宅を取得するには予想以上の労力と時間を要します。
そこに住宅ローンの準備も加わるのですから自分達だけでは不可能です。
結局、思考停止してしまい建築業者や金融機関の言いなりに話を進めていくのですが、決してアナタの都合だけを考えてくれてる訳ではありません。
建設業者には建設業者の金融機関には金融機関の事情があります。
そこで住宅ローンにも「セカンドオピニオンがいてくれたら、どんなに心強いだろうな」と常々思っていました。
「セカンドオピニオン」とは診断や治療選択について、現在の担当医とは別に、違い医療機関の医師に求める「第2の意見」のことをいいます。
親身になってくれる自分の親は住宅ローンの経験は乏しいはずです。
だからこそ、親身かつ頼りになる存在がアナタには必要なのです。
まだ現役なので具体的には書きにくい立場ではありますが、「お金に対する考え方」「住宅に対する考え方」「資金計画に関する考え方」などを、一般論として全く違った角度から説明します。
身近な例を挙げながら、わかりやすく話を進めて行くので、「近所の世話好きなおじさん」だと思って気軽に付き合って頂ければ幸いです。

結局、アナタは何を悩んでいるのかが分からない

人生は判断の連続です。
アナタは毎日、大なり小なり判断をしています。
大きなところでは「結婚相手」や「就職先」。
小さいところでは「今日の夕飯」や「明日の服装」などです。
判断を「3級判断」、「準2級判断」、「2級判断」等にランク付けすると、「マイホーム取得」は「超特級判断」の五条悟クラス(ご存じ無い方ゴメンなさい)に該当します。
判断をするには、判断根拠や基準が必要です。
基準や根拠が無い状態では判断のしようがないので悩みようがありせん。
アナタは悩むことが出来ない事に対して悩んでいるのです。
それがアナタのモヤモヤです。
まずその事を知りましょう。
まずは悩むための判断基準や根拠を身に付けましょう。
これから判断の参考になる知識や考え方を説明します。
今までと全く違った角度から切り込みますので、新鮮に感じると思います。

いきなり金利について考える

そろそろアナタは「精神論的で結局、薄っぺらな内容では?」と疑い始めたと思います。
なので、まずは信頼を得る為に本格的な内容から始めます。
多少難しく格好をつけて説明しますがご容赦下さい。

住宅ローンの金利を選択する場合、一般的に以下の種類があります。

①変動金利型
②固定金利期間特約型
③全期間固定金利型


「これくらいは知っているよ」と思ってますね。
ざっと見たイメージとして①変動金利型は金利が変動する③全期間固定金利型は逆に変動しないと容易に想像が付きます。
但し③全期間固定金利型を取り扱う金融機関は少なくお目にかかる事が少ないかもです(あったとしても金利がすごく高い)。
そして特に目に付くのは②固定金利特約型です。
なぜ目に付いたか?それはズバリ金利が安いからです。
固定金利特約型は、一般的に「3年固定特約」「5年固定特約」「10年固定特約」の種類に分けられていますが、「3年固定特約」の金利の安さにはビックリします。
「固定」って書いているから安心だし、金利も安いから「固定金利」と「変動金利」の良いとこ取りです。
そこで「固定金利3年特約型しか勝たん」とばかりに迷わず一択。
果たして本当にそれでいいのでしょうか?

固定金利期間特約型って何?

固定金利期間特約型は変動金利ですか?固定金利ですか?
「何言っているの。固定金利に決まっているでしょ。」
当然、そう思いますよね。
しかしながら正解は変動金利です。
契約上、変動金利型の金銭貸借消費契約書(借入契約書のこと)を使用します。そこに「3年間だけは、この金利にします」という特約を結ぶのです。
なので激安金利は最初の3年だけです。
その後、再度3年固定特約を結ぶことも出来ますが、その時はノーマル金利です。
パンフレットでは激安金利を特別金利、ノーマル金利と標準金利と記載するケースが多いです。

例えば(金利はイメージです)。
当初の金利は特別金利0.8%(当初の標準金利は2.5%)
3年目の金利は2%(3年後の標準金利3.5%−優遇金利1.5%)
以降は3年毎に3年目と同じ。

何気ない金利の説明ですが、下記の点に注意してください
・3年後、確実に金利が上がる。
・3年後の基準金利は借入当初は分からない。
・謎の優遇金利がある。
・3年毎に見直すので、3年サイクルの変動金利である。
・固定金利を組み直す時に、5,500円程度の手数料が掛かる。
なんだかあんまり良いものと感じなくなりましたね。

では、どうして「固定金利3年特約型しか勝たん」となったのでしょうか。
だって、そうなるようにパンフレットを作り込んでるから。
それが答えです。
「特別金利」「標準金利」「優遇金利」という様々な金利を登場させ訳を分からなくさせて、更に「優遇金利」を採用して、本当は金利が上がるのに、お得感を演出してます。

それでは結局、変動金利と固定金利、そして固定金利期間特約型のうち、どれが一番良いのでしょうか?
次回は「基準金利」に着眼して、「変動しない変動金利と変動する固定金利」の説明をします。
不定期に更新しますので次回をお楽しみに。
<続く>




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