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エフェクチュエーション実践講座18「中小企業がエフェクチュエーションの宝庫」である件

はじめに

 筆者は会社員と共に本郷にある教育系の企業の顧問を長くやっています。きっかけはこの企業がうちの生命保険のお客様になってくれたことです。

 そのお礼に教育商品やサービスのモニターとかになり、利用者として利用感や改善アドバイスをしていたら、いつからか、経営もアドバイスをするようになりました。(ボランティアで)実は社員のうち、社長の次に古参です。

 本郷の会社の社長は、人を巻き込んでいくのがうまいのです。この会社は教育教材やアセスメントを自社開発したり、仕入れて売っていますが、それに関連する人や企業、団体を巧みな話法と人懐こさ、時に厳しいビジネスポリシーで、仲間にしてしまいます。たとえば、

1、教育教材を作る著者(本の著者や大学教授など)
2、販売代理店(教育販社やネット直販)
3、売り先の企業(大企業が多い)
4、各種協会などと共同で行う共同商品開発の協議会


 など、人伝に広げて行き、ネットワークを作ることが上手です。本郷の社長はビジネスにおいて、極力コストをかけず、収益配分方式でビジネスをしようとしており、これはエフェクチュエーションの良い事例だと思います。

 本郷の会社は創業20年以上で、企業として20年も存続するのは立派です。生きてこれたのはエフェクチュエーションによるリスクコントロールができているからでしょう。

 中小企業は社長の個人でものが進みます。社長の意思があってピポット的に運営されるので、
中小企業はエフェクチュエーションとの相性が良いというのが筆者の考えです。(大企業の場合と比べ。以下参照)

 そこで本郷の会社事例に中小企業のエフェクチュエーション活用を考えることにします。(基本的なエフェクチュエーションのことは以下)

中小企業におけるエフェクチュエーションの進め方

1. 現在持っているものから出発する

  中小企業はリソースが限られているため、「Bird in Hand Principle」に従い、現有の資源(知識、技能、人脈)から出発して、それらを活用する方法を考えることが重要です。

 例えば、本郷の教育系企業の社長は、自らの人脈を最大限に活用し、著者、販売代理店、企業、協会など多様なステークホルダーを巻き込むことで、コストを抑えつつ収益を上げるビジネスモデルを構築しました。

2. 許容できる損失に基づいてリスクを取る

  「Affordable Loss Principle」に基づき、投じる資源(時間、お金、労力)が、失っても許容できる範囲内であることを確認します。小規模な試みから始め、徐々にスケールアップしていくアプローチが中小企業には適しています。

3. パートナーシップを構築する
  「Crazy Quilt Principle」を活用し、他者との協力を通じて機会を形成します。本郷の教育系企業の事例のように、様々な組織や個人との共同作業を通じて、新たな価値を創造することがポイントです。

4. 予期せぬ出来事を機会として利用する

  「Lemonade Principle」により、困難や失敗を柔軟に受け止め、それを新しい機会へと転換します。例えば、市場の変化や顧客のフィードバックを受けて、素早くピボットし、新しいサービスや商品を開発することが求められます。

 筆者が長年一緒にいて気づいた本郷の教育系企業の社長のエフェクチュエーション成功のためのコツは以下でした。

本郷の教育系企業の社長のエフェクチュエーション成功のためのコツ

1. 自分の強みを活かす

  自分が得意なこと、情熱を持っていることを明確にし、それを最大限に活用します。これにより、競争ではなく独自の価値を提供することが可能になります。

2. オウンドメディアを活用する

  SNSやnoteなどのオウンドメディアを通じて、自社の強みや事業内容を積極的に発信します。これにより、見込み客や同業他社との協力関係構築に繋がります。

3. 人的ネットワークを拡大する

  業界内外のイベントに参加したり、オンラインで積極的に交流を行うことで、新たなビジネスチャンスを見つけ出します。人と人との繋がりが、新しい機会を生み出す原動力となります。

筆者作成

まとめ

 中小企業がエフェクチュエーションを活用することで、限られたリソースの中でも革新的な事業を成功させることが可能だと思います。

 本郷の教育系企業の事例は、エフェクチュエーションの原則を実際のビジネスに適用し、長期にわたって持続可能な成長を遂げる方法を示しています。

 中小企業にとって、エフェクチュエーションはリスクを管理しながらも新たな価値を創造するための強力な方法と言えるのです。

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