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エフェクチュエーション実践講座15「50歳以上DXリスキリング研修」もエフェクチュエーションだった件


はじめに

 デジタルビジネスの流れは企業にとって避けては通れないものです。しかし管理職である50歳以上のビジネスパーソンにとって、デジタルビジネスの世界は不慣れであることが多く、意思決定は大きな困難を伴います。

 筆者は、この年代の人々がデジタルビジネスモデルを楽しく考えられる能力を身につけることが大事と思っています。

 そこで50歳以上の方にも下呂と同じ研修を受けて欲しいとDX研修活動をしています。なお、「下呂温泉での研修の模様」は多くの人に読んでいただきました。ありがとうございます。


 この理由で、筆者は社内と社外向けに「50歳以上DXリスキリング研修」を実施しています。参加者がデジタルビジネスの基本から学び、主体的にビジネスモデルを考えられることを目指しています。

 50歳以上DXリスキリング研修も下呂研修と同様エフェクチュエーションの考え方を取り入れており、コストをかけずに手の中の資源で実施しています。

DXビジネス発想研修の構成

 全体を理解いただくにはこの記事が良いと思います。筆者のDXビジネス発想研修を紹介いただきました。(過去記事)

研修の模様


 研修は3回のワークショップから成り立っており、各セッションで理解度が深まるよう設計されています。今回は半日コースで実施しました。本当は、1日コースが良いのですが、半日でも十分な理解を得ることが可能です。

受講者の研修中の風景(一部若者も参加)


[ワークショップ1](今回は時間短いので宿題と脳圧トレーニング)
 デジタルビジネス用語の深い理解を目指し、脳力トレーニングが行われます。この段階では、デジタルビジネスの基礎知識を固めることが目的です。受講者の感想は以下の通り。

・巷によくあるDX研修はデジタルスキル標準に準拠したHowについての内容が多く、それらの手段を強化しただけではDXの実現は難しいと考えていましたが、今回の研修はWhatをどう創るかのアプローチなのが従来のDX関連の研修・セミナーとは一線を画していると思います
・個人的にこれまでモヤモヤとしていた本来のDX(第3段階以降)推進の道筋が見えてきた気がしました
・(研修の感想ではないですが)DXのDはビジネスのBと読み換えた方が良さそうだなと講義を聴きながら思いました

受講者感想
研修の模様

[ワークショップ2]
 デジタルビジネスモデルの4つの分類を学びます。さらに、実際のサービス事例を選んで、それらがどのように機能しているかを理解します。このプロセスを通じて、理論と実践の橋渡しが行われます。感想は以下の通り。

・普段何気なく使っているスマホアプリでもパターン1〜4のようにそれぞれ性質が異なることを知り、今後使うアプリやWebサービスがどのパターンなのか意識する習慣が付きそうです
・何となく聞きかじっていたり知っているつもりになっていた用語や概念と実際のサービスを結び付けることで、短い時間でも理解が深まった(いわゆるタイパが良い)と感じました

受講者感想

[ワークショップ3]
 学んだビジネス用語を組み合わせて、3つのステップで新規ビジネスモデルを発想することに挑戦します。この段階では、受講者が主体的にアイデアを出し合い、新しいビジネスの可能性を模索します。感想は以下の通り。

・新規ビジネスを考えるのはとても難しいように漠然と感じていたので、こんなに楽しい作業だとは思いませんでした(実際には楽しいばかりではないと思いますが)
・ゼロから発想するのではなく、キーワードを組合せたりパターン化されているものを横展開するという考え方がとても分かりやすく、実践に取り入れられそうです

受講者感想

 受講者からは「疲れたが、脳に良い刺激になった」という感想が多く寄せられています。この研修は、参加者にとって新たな学びの場となり、自信を持ってデジタルビジネスの世界に踏み出すきっかけを提供しています。

この研修の効果として期待しているもの

 「50歳以上DXリスキリング研修」は、デジタルビジネスの世界における未来を創造するために重要だと思っています。

 50歳以上のビジネスパーソンがデジタル時代における新たなチャレンジに自信を持って取り組めるようにしたいです。効果は3つあります。大きな目標ですが、実現したいです。

①社会全体のデジタルリテラシーの向上

 50歳以上のビジネスパーソンにデジタルビジネスの基本から応用までを学ぶ機会を提供し、参加者個人のデジタルスキルを向上させるだけでなく、知識が職場に波及し、社会全体のデジタルリテラシーの底上げを行いたいです。

②中高年層の活躍の場の拡大

 日本は世界でも有数の高齢化社会なので、50歳以上のビジネスパーソンが新たな技術やビジネスモデルを学べば、キャリアの可能性が広がります。年齢とともに狭まるとされがちな職業の選択肢が、デジタルスキルの習得により再び広がることになります。

③経済全体の競争力の強化

 デジタルトランスフォーメーションは、企業の生産性向上や新たなビジネスチャンスの創出に不可欠です。50歳以上の層がデジタルビジネスにおける意思決定やイノベーションに積極的に関わることができれば、日本企業の競争力強化に直結します。

まとめ

 「50歳以上DXリスキリング研修」から得られるメリットは、個人の成長と社会全体の発展の両面にわたります。デジタル化の進展は止まることがなく、それに適応することがこれからの時代を生き抜く上での鍵となります。

 この研修を通じて、日本社会がより柔軟で、デジタルに強い社会へと変革できれば良いと思います。最後に受講者の声を貼っておきます。

昨日はありがとうございました。
以下、感想をお送りいたします。
この研修は3回目位の受講かと思いますが、毎回新しい気づきがあって、とても勉強になります。
岸さんはじめ講師の方々からのレクチャー、ワークショップでの議論等、参加された方々からも良い刺激を受けました。
顧客価値を高める9つの手段や、コストを下げる方法、ビジネスモデルの横展開の考え方等は、行政の場でも、とても有用と思いましたので、ぜひ行政官にも受けて欲しいなぁと。
昨年、うちの若手の職員向けに講義して頂いたのですが、時間が短くて、少し残念でした。
ご縁や機会があれば、1日くらい時間をとって、若手だけでなく幅広い範囲の職員に受講してもらえたらなぁと思いました。

昨日はありがとうございました。
岸さんの研修受講は3回目でした。

1回目:オンライン 半日×2回
2回目:オンライン 半日
3回目:オフライン 半日

やはりオフラインはいいですね。熱量の伝わり方が違いました。

今回は50歳以上限定の研修。開始早々強烈な刺激を受けることで、若かりし頃に活発だった脳細胞がもぞもぞと動き出し、、一気にリープフロッグ(カエルが一足飛びにジャンプするように大幅なステップアップを遂げる)出来ました。

DXをちょっと分かったつもりになって、DXという名を冠した組織の名刺を持っていた自分が恥ずかしい。この研修で、DXとは何か腹落ちしました。
キャリアを重ねてきた50代が人生100年時代を活き活きと過ごすため、DX人財としてリスキリングのきっかけを得るための絶好の研修です。
同世代でのワークショップは経験値を交えた活発な議論となり楽しくDXの理解を深めることが出来ました。

デジタルネイティブではない世代の人たちに是非受講いただきたいと強く思いましたし、自分のまわりで勧めていきます。

受講者の声

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