ゴジラ-1.0サントラを聴いた駄文

お好きな方には申し訳ないので先に書いておくと、僕は今回の映画の音楽、佐藤直紀さんが書かれたスコアに関しては正直面白さを感じてない人です。
今回の音楽は全体的に感傷的に過ぎると言うか、画面だけで十分効果あるだろう心の揺さぶりを、音楽でさらにブーストしてくるタイプの楽曲だなと言う印象でして、そう言うあたり「泣き」と言う面で訴えてくるならばそれに特化した効果は存分に発揮するだろうな、とは思います。

ただどのシーンの音楽を聴いても効果音以上のものは感じなかったもので、よく言えば映像と一体化してる、悪く言えばサントラ単独で聴いて意味はあるのか、と言う。
絶えずなんかふんわりと、女性コーラスが聴こえてきそうなファァァァァとした何か(^^;が場を支配していて、そこになんかリズムかメロディが入ってる、みたいな。
映画をもっと何度も見返して、ついでにサントラも聴き込んでいけば深みは出るのかもしれないけど、初見程度では全く残らない、と言う個人的結論です。もう自分の脳がバカなのかもしれない。

正直いうと、全体をこの構成で行くのなら、尚更にゴジラのシーンや作戦シーンの燃える曲は、同じ方に作っていただきたかった。
伊福部流用前提の組み方、ほんとコレ未来あるのかなと思うのだけど平成時代からコレは各作曲家が戦ってきた歴史でもあるのでwまぁ仕方ないのかな。
サントラレコードも発売されて、ある意味最も伊福部音楽を期待された時代に、全曲新曲で挑んだ小六禮次郎はやっぱもっと評価されるべきで、CDからの伊福部流用がなんぼのもんじゃい!と言うくらいにイケイケだったすぎやまこういちはやっぱ凄かったなとか、そう言うところを語り出したら止まりませんがw
大島ミチルすごいよねほんと。

話戻しますが
結局のところ今回の佐藤音楽は心情描写路線かなと言うのは前述の通りなんだけど
コレもっともハマってたのはやっぱ銀座の、伊福部音楽直後に鳴る絶望的な音楽かなーと思います。鑑賞中に「ここは良いな」と感じた記憶からここに記録しておく次第。
詳しくメロディとか覚えてませんが(そこがつまんない)
震電関連のシークエンスもなんかこう、主人公達の心情に寄りすぎてて正直音楽邪魔だなとか思ったりしたんですけど、広く一般的にはこう言う音楽の需要が現代では高い、と言う事らしいので、むしろ正解なのかなとは。

作曲家田中公平先生のツイートとかさすが興味深いですよ。こんな場所の
駄文読んでるよりこのツイートの周囲を読むのおすすめです。

理解はしつつ、結局僕はこう言う「今の需要」よりは、むしろ時代背景に合わせた音楽投入で、その時代の空気を匂わせた方がなお好き、と言う方向ですけどね。
本編の日常生活描写には本作オリジナルの心情表現曲を多用するくらいなら現実音扱いでもっとガンガン当時の流行歌やら何やら流せばいいのに、とか。黒澤明「酔いどれ天使」でのカッコウワルツみたいな対位法でも何かを表現できたかもしれない。もっともコレも今の観客相手には伝わらないのかもしれませんが。

結局のところ、この時代設定当時の現実の映画とか見慣れてると、綺麗過ぎる音に違和感を持つのかな?
時代劇には和楽器(もしくはそれを再現する何か)が親和性高いとかあるじゃないですか。全編それで埋める必要はないのだけど。
音楽表現が現代的であるが故に、時代を感じられない、そんな結論かな。
そう言う意味ではやっぱ伊福部音楽が鳴り響くのは避けられないのかも知れません。へえ。へえ。(高堂国典風)

まぁ結局僕の好みは、震電出撃を雪風から目視するシーンなんかで「ゼロ・ファイター大空戦」M-2なんかが鳴り響いたら最高だな(キャラクターの心情は知らんけど)と言う方向なので付ける薬はありません


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