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ハンドに泣いたソシエダ、勝ちに値したアトレティコ


23/24 ラ・リーガ9節 アトレティコ-レアルソシエダ(2-1)

 両チームのスタメンと初期配置

両チームいつも通りでアトレティコ(赤)532、ソシエダ(青)433

アトレティコは前からプレスを掛けるのではなく、ソシエダCBには持たせて、SBに入ったら徐々に牽制していくような形を取っていた。


②ソシエダSBにボールが出た時のアトレティコ守備

ソシエダSBにボールが出たら中盤の3枚の左右が出ていく。
同時にコケともう片方の選手が横スライドでスペースを埋める。
ソシエダ両WG(久保、バレネチア)に対しては5バックの大外リノ、モリーナがマーク。
ソシエダアンカーのスビメンディにはグリーズマン、モラタで消す。


③ ソシエダIHメリーノとブライスの降りる動きに対してのアトレティコ守備

ソシエダ中盤のIH(メリーノとブライス)がボールを引き出そうと降りていく場合は、アトレティコ3CBの左右がそのまま付いてく形。メリーノ側ならアスピリクエタ。ブライス側ならエルモソ。
よってソシエダはパスコースが全部塞がれてる状態で、外回しのパスしか出来ず前半は全くチャンスが作れなかった。


④久保が何も出来なかった理由

右SBトラオレがボール持った時のパスコース

上図のようにアトレティコが中のパスコースを塞いでるので、トラオレには外回しのパスコースしかない。

久保がボール持った時

久保にボールが入った際にブライスメンデスのサポートが遠くて孤立してることが多かった。
遠かった理由として、
・ゲームメイクも出来るので、低い位置でボールを引き出していた。   
・エルモソのマークを嫌がってた。
・チームの武器である久保にスペースを空けるため。

そんなこんなで孤立してた久保。リノとの一対一ならまだしも、ここにデパウル、エルモソが自分のマーク捨てて加勢しに来るので、流石の久保も自由にさせて貰えなかった。
それだけアトレティコが久保を警戒してた。


⑤オヤルサバルの動き

気になったのがアスピリクエタがメリーノに付いていった時に空いたスペースをオヤルサバルが使っても良かったのではと思った。ランニングする素振りが全くなかったので。
オヤルサバルは本来はWGの選手なので、DFを背負ってプレーするのが得意なプレーではないと思う。出来ないことは無いが、その役割ならサディクのが全う出来るだろうし。
0トップのように中盤まで下がってボールを引き出す動きもなかった。基本的に止まっていることが多かった印象。
オヤルサバルが空いたスペースに走れば、次はオヤルサバルがいた場所にスペースが出来るので、別の選手がそこを使うみたいな動きの連続性があるとアトレティコの守備陣形に乱れを作れたかもしれない。

実際、モラタのハンド疑惑に繋がった、コーナーキックになる直前のプレーがそれで、久保と交代で入ったC.フェルナンデスがセンターFWになって、65分にアスピリクエタが前に出たことで空いたスペースに走り込んでボール引き出してコーナーキックを獲得するシーンがあった。
その辺から流れを作りつつあって、結果同点に出来たので、C.フェルナンデスのプレーは違いを作れてたと思う。


⑥ソシエダ後ろに重たい

SBの位置

ソシエダ良くあったのが、例えば左でボール持ってる時の右SBのポジションが低い。逆の場合もあり。

IHが降りる

もう一つはIHが降りがち。左にボールがある場合、メリーノが降りる分には良いけど、逆側のブライスも低い位置にいることが多かった。その分トラオレを高い位置に押し出すということもなかった。
アトレティコは相手の最終ラインでは持たせて、前にパスが出たらそこを狙うような守備をしてた。だから降りていったとて、そこで持たれる分には構わないよって感じだった。
また、これは久保が孤立した原因でもある。


総括

ソシエダは前半ほとんど何もさせて貰えず、ボール持っているのではなく持たされていた。それだけアトレティコの守備は整理されている。
攻撃でもソシエダが前からプレスに来るなら、それを裏返してシンプルに前線に入れる。モラタが収めたり、セカンドボール回収しながらチャンスに繋げていた。

ソシエダが最後サディクとアンドレシウヴァを前線に入れた戦術は今後もやると思う。可能性があった。あの二人がゴール前にいたらすごい怖いなと。


とりわけ試合を分けたハンドの基準は難しくて、ソシエダ側には不運だったかもしれないが、アトレティコは勝ちに値したと思う。


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