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【エッセイ】蛙鳴雀躁 No.51

 あけましておめでとうございます!

 近所の神社へ初詣に行きました。
 ひと駅しか離れていない、ヨソの神社で購入した三年ぶんのお札とお守りを茶封筒にいれて納めました。見つかったら、叱られかもしれんとビクつきながら――。

 ワンコと一緒なので、遠くには行けないというのは表向きの理由。
神社札や守り袋の値段が、三ノ宮に出かけると倍近くになる。
 もったいない。
 ワンコに高額な医療費がかかるようになって、品物に大差がないのなら念力が薄まっても近場でいいと思うようになりました。
 以前は、お伊勢さんやら出雲大社やら八坂神社やら、そこら中のご利益のありそうな神社仏閣を駆けずりまわりました。縁結びのお札にはじまって、ワンコの肌守りを買っていました。
 一にも二にも、我が家のトップスター・チャワワンには長生きしてほしいと願ってのことでした。しかしよくよく考えると、こっちが先に旅立つかもしれんと思うになって考えを改めました。高いお札を買うより、ワンコの大好きな赤みの牛肉を食べさせてやったほうがいいのではないかと。

 藁をもすがる思いであれこれ祈願しても願いの大半は叶わない。
 物事は、なるようにしかならない。
 長生きしてよかったことのひとつは、自らの意志に反した努力に明け暮れるよりも、気のむいたときに最低限の労力しか使わないグータラ生活でよしとするようになったことです。これを大人の知恵というのでは――と都合の良いように解釈しています。
 
 生ける犬は死せる虎に勝ると言いますが、うちのワンコは空缶にさえつまずきます。飼い主に似たようです。

 本年もよろしくお願い、申し上げます。


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