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【エッセイ】蛙鳴雀噪 No.2

 星組宝塚大劇場公演『RRR』&『VIOLETOPIA』の千秋楽のLIVE配信を観劇し、大感激。宝塚友の会、略して〝友会〟でチケットを申し込んでも、立見席すら当たらず、コトちゃん(礼真琴様)のお正月公演をライブ配信でしか観られないことに落胆していましたが、彼女の圧倒的なパフォーマンスは映像であっても充分に伝わり、思わず涙しました。  
 カーテンコールで、コトちゃんがこぶしを突き上げ、「熱いぜ、星組!」といつものように大声で言ったとき、映画館で観ている人も、私のように自宅のパソコンで観ている人も、同じ熱い思いで、「燃えろ、星組!」とコトちゃんと一緒に叫んだと思います。
 昨年は、タカラヅカにとって、つらい一年でした。コロナ禍で休演つづきだった二年余りののちに起きた不幸な出来事でした。
 昨年九月の宙組公演は、初日の一日で終わり、つづく雪組公演もわずか十日間の公演でした。たまたまその中のひと公演を観劇できました。客席は異様な熱気に満ちていました。トップのサキちゃん(彩風咲奈様)を筆頭にみな一丸となって、けんめいに舞台をつとめていました。全身をつかって踊り、美しい歌声を劇場中に響かせていました。この公演で退団する、ソラくん(和希そら様)は惜しみてあまりある完成度の高い男役でした。古巣が宙組だったソラくんにとって、昨年の出来事は大きな衝撃であったにちがいありません。
 なんの演目かわからない五歳の頃から観劇してきた私にとっても、タカラヅカに起きた悲劇はわが身に起きたことのように思えるのです。千秋楽にかならず歌われる「フォーエバータカラヅカ」が今日ほど心に沁みたことはありません。世間からどれほど非難されようと、「タカラヅカよ、永遠に」と大勢のファンは祈り願っています。頑張れ、タカラヅカ! めげるな、タカラヅカ! どこまでも、ついてくぜぃ!

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