恋愛はサスペンスで、結婚はコメディである

恋愛に目覚める前は人など
傷つけなかった人も
人に求められ、自分の嗜虐性に気づき
あるいは、人を求めて、傷つけられる
しかし、その痛みには一定の快感があり
人はその味を知ってしまうと簡単には離れられない
恋愛とは残酷なゲームであり
人はそこで知らなかった自分の側面と出会うことになる

まともな人間なら、たっぷり遊んだ後に
足を洗うものだ

私は物語のこんなオチが好きだ
かつては恋愛映画のサスペンスの女王
今は大人しく良き妻と母をやっている
ちょっと昔を思い出したくって遊びにきた
さぁ、これからという時に慌てたピエロが飛び込んでくる

恋愛はサスペンスで、結婚はコメディである
自分の人生を演出しているのは自分である
あなたは自分の結婚に、サスペンスを持ち込みますか？

あの痛みの快感も、ぞくぞくするような感覚も忘れられない
だけど人生は意外と長い
事件らしい事件は起きず、笑いながらすぎてゆく
そのほうが長く持つと思いますが

誰も死なない、誰も傷つかない、駆け引きもない、ただ、笑いがある
それが愛というものだ

2024．04．16