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作品、感想・エッセイ群

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見た作品の感想やエッセイをここにまとめます
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2024年7月の記事一覧

三部作もので謎に最後まで観ない映画

 例えば「サンダードーム」、「ダークナイト・ライジング」、「ブレイド3」、「ダークサイド・ムーン」。観たことはあるものの中には、「リローテッド」までは見返したのはいいけれど謎に「レボリューション」を飛ばして「リザレクションズ」を観たり(まあマトリックス四作目はあまり含めなくていいと思うけど。)  最新作を観ない、と三部作の最後だけ観ないは全然違う現象のような気がする。  最新作は別に観なかったとしても「いや別に後で見ればいいし」と言い訳をする。あとはリブートなんて見てやんね

こんな時こそ引きこもってNetflixを見よう

 ネトフリのいいところってオリジナルがちゃんと面白いことだと思う。 まあ中には酷いのもあるかもしれないし、もしかしたら上澄しかみていないのかもしれないけれど。  最近はウェンズデーとかPLUTOとか見ました。クイーンズ・ギャンビットはまだ途中だけれどすげえ面白い。  寄生獣とかエッジランナーズとかまだまだ途中のものがいっぱいあるので少しずつ消化していく予定です。  まあ外に見にくっていうのもなくはないけどこの暑さじゃ命が足りんというのと、命をかけて見に行くほどのものは俺は

配達依存症 「デス・ストランディング」

 大学生の頃、無限に時間があった俺はただひたすらに配達をしていた。ただそれは現実にではなく、あくまで「デススト」の中だけではあるが。  シナリオ自体はだいぶ前にクリアしていて、あとやることといえば登場キャラクターの好感度をすべてMAXにすることだったので、俺は西へ東へ、北へ南へ、雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、雪ニモ負ケズ、BTニモ負ケズ、重い荷物を背負って、ただひたすらにノーマンリーダスを酷使していた。  もうこれ以上にないくらい、リーダスことサムに荷物を運ばせていたが、全ての

石垣りんじゃなくて坂口安吾

 「石垣りん詩集」(伊藤比呂美編)を取ったと思って裏表紙眺めていると何かがおかしい。  表にすると現れたのは坂口安吾の「堕落論」だった。  今の俺にはこれがお似合いらしいが、あいにくのところまだ一ページたりとも読んでいない。  ので、そのまま「堕落論」のあるところを開いた。    読んでいくと「人は永遠に自由ではありえない。なぜなら〜」の二文に線が引かれていた。ずいぶんよれた線であったがなんとなく、前の持ち主は高校生か何かかなと思った。もし俺が線を引くとしたら、もっと別のと

オードリーⅡ VS ビオランテ      「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1986年)」

 今トイレでアボカドを育てている。アボカドはこの間スーパーで買ってきたやつだ。中に入っていたタネを捨てずに、まずは芽が出るまで慎重にシンクで水やりをして、少し割れて芽が見えてきたらそのまま小さいガラスの瓶の中に入れた。  出芽するまではなかなか時間はかかったが、一旦そうなるといままでの遅さが嘘みたいに根は伸びてゆき、芽も日に日に高くなって行く。このままじゃガラスの小瓶では収まりきらなくなりそう。    そう言っていた矢先、へにゃり、とせっかく伸びた芽が途中でぐにゃりと曲がって

先日のこと「ヘドラ」

 友人に「ゴジラ対ヘドラ」を見せたときの話。  先日、同居人が、月に一度ほど地元から泊りがけで都内にやってくる母親に会いに家を出ていった。  大抵、同居人は母親と何処かで一泊するので、暇になった俺はいつも実家に帰るか、友人と遊ぶことにしている。   今回の場合は、友人が来てくれるとのことだったので、特に何も用意しなかったが、午前のうちに用事を済ませてしまい、あたりで一番うまいラーメン屋がやっているか調べた。  そして正午に友人がやってきて、ラーメンを食べたあとで家に行き、の

黒い政治

 埴谷雄高の政治論集を一時期読んでいたことがあった。そこでなるほどと思ったこと。  曰く、政治は黒い死をその中に携えている。  曰く、政治の目的は「奴を殺せ」    なるほどだから政治という得体の知れないものは一定の力を持ち、そしてあんなにも攻撃的なのだと腹落ちする。    ※ここで語ることはあくまで私の解釈である  ※ここでいう政治はあくまでも選挙や政治闘争といった文脈のものであり、例えば社会保障や年金、自治体法はあくまでもシステムといった方がしっくりくる。  政治はあり

虚構への侵入 「マトリックス リザレクションズ」

 俺は今でも忘れない。「マトリックス リザレクションズ」の公開に合わせて公開されたUnreal Engineのプロモーションのあの衝撃を。  今よく見返せば「すごく」作り込まれたCGIだとわかる。ただ当時の自分は、後部座席にいるナイオビが追ってくるエージェントに銃を撃つその瞬間、赤い照準マークが出てくるその時まで呑気に「ネオとトリニティの若い頃の顔を合成したのかな、まあよくできた映像だな」なんてことを考えていた。  もちろん途中まで実写パートがあったから、そこからゲームへ

ITインシデント、ディザスター映画としての「ガメラ2」

 先日発生した大規模Windows障害には本当に困らされた人は多いんじゃないだろうか。CrowdStrikeなんてどこにも入ってるし、ポンコツSEの自分でさえ、事の重大さは気づいたつもりだ。IT企業に務める友人に聞いてもやはり影響は少なからずあったらしい。  Windowsなんて今なくてはならないインフラの一つであり、ただそれにしてはなんて脆いんだろう、まるで砂上の楼閣だと日々嘆いている。画一化したものは構築はとても早く、しかし崩壊するときは一瞬である。まるでシズマドライブ

「箱男」(楽しみ)

 ニセ〇〇は登場時には本物のアイデンティティだの第三者の評判だのを毀損するという明確な目的を持ちつつ、しかし、その正体が一旦明かされたあとが真の見どころである。  メカゴジラなんていい例である。  最初はゴジラの皮を被り、ありとあらゆる残虐行為(ああ、アンギラス!)をして本物の評判を落としにかかる。  そしてコンビナートで真の姿、メカゴジラとしての正体を現したあと、本物のゴジラ以上に凶悪な兵装を見せつけ、そして圧倒してしまう。  偽物の良いところはときに、本物を凌駕するこ