桃太郎印のきびだんご

自転車に乗りながら、ふと空を見上げる。雲やら月やら、なんかきれいだなー、と思いつつ、しばらく空を見上げてなかったなー、なんて思う。
小学生の頃、自転車で公園の山の上の芝生に横になりながら、空を見てたなー、と思う。雲の動きを感じながら、ゆっくりできる日は何年先になるのか、なんて思いつつ、月見はなんで団子食うんだろうなー、なんてことも思う。
そんなことを思いながら、コンビニに入る。みたらしにするか、あんこのついたものにするか、迷っていた。
そのとき、ふと、教員をしていたときに、先輩から言われた言葉を思い出す。
「〇〇には、ドラえもんの道具の桃太郎印のきびだんごがあればいいのになー。アイデアはいいのに、仲間がおらんから、この学校では上手くいかんのやろなー。」
ん、「俺仲間いるやろ。」そのときは、そう思っていた。今では、そのときの先輩の言葉の意味がよく分かる。
桃太郎はきびだんごをあげることで、鬼退治を手伝ってくれる仲間を見つける。きびだんご1つで、命がけで鬼退治についてくる、というシステムはすごい。きびだんごを持たせたおばあちゃんは秀逸だ。
ただ、きびだんごという、いいものを持っていたとしても、それを持っていることを伝えなければ、それを渡さなければ、誰も仲間にはなってくれない。きびだんごを持ってはいるものの、最初は1人で、鬼退治に向かう、という桃太郎の姿勢は評価されるべきだろう。
彼は仲間ができ(き)なかったとしても、1人で鬼ヶ島に向かったのだろうか。
イヤホンでは、YouTubeでホリエモンが桃太郎について語っている。「おばあさんが川に洗濯に行って大きい桃を拾ってくる。普通は拾わない。これは異常行動だ。川で洗濯してたのはあのおばあちゃんだけではなかったはず。みんなスルーしたはず。桃に遭遇して、それはチャンスなんだけど、拾うか拾わないかが運をつかむかどうかだ。」そういうことらしい。
桃を拾うこと、最初は1人でも鬼退治に向かうこと、きびだんごを渡すこと、全ては飛び込む勇気がいる。今の私はチャンスを運をつかみたい、と強く思う。
コンビニのだんごはあんこがついたものにすることにした。この団子を一緒にプロジェクトをする仲間に配ってみようかと思う。一緒に命がけで鬼退治に向かってくれるかもしれないから。

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