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お勧めシリーズ~「絵本」編

1.シリーズの始まりは絵本

 趣味と専門の両方の実益を兼ねて、様々なジャンルのお勧めシリーズを始めたいと思います。
 まずは、絵本です。

2.能書き

 大学生になって、一人暮らしを始めた。自分を見つめることが多くなった。これまでの自分、これからの自分。初めてのうつ病の発症もこの頃だ。生きる上で、また、物事を見る上で、自分の座標軸をしっかり作りたかった。
 周りの友人や先輩は、とても読書家だった。本のことを生き生きと語るその姿に驚きを覚えた。読書と思考は「座標軸」をつくる要なのだと思い知った。
 僕は、読書感想文を書くときですら、その本を全部読んだことはなかった。手塚治虫さんが、よい映画を作るためにはよい読書がなによりも大切、という趣旨の発言をしていたことを思い出し、大学の生協に行き、本を見に行った。そこで目についたのが、文庫になった児童書だった。そこから児童書、そして、絵本への沼人生が始まる。
 そして、絵本を「通して」、自らの考えを友人や後輩に語れるようになったのは大学3回生の頃だろうか。
 自分が好きだったこともあり、二人の子どもには、小学校低学年ぐらいまで、ほぼ毎日5冊程度の読み聞かせをしていた。累計すると結構な数になる。また、今では、絵本の展示会のプロデュースも手がけていることに感謝しかない。

3.お勧め絵本

 能書きはこれぐらいにして、お勧め絵本に入ります。
 まずは、大人にこそ読んで欲しい絵本です。

 自ら死ぬことにギリギリまで近づいてしまう少年の物語です。これは絵本の醍醐味ですが、ページをめくるごとに、何度も息を呑むことになります。

 児童虐待の中でもネグレクトを描いた作品。その悲惨さではなく、回復を描いたもの。生きている者同士の心臓の鼓動が、温もりを感じさせます。今は絶版なのですね。図書館には必ずあると思います。

 2冊とも海外の翻訳絵本。離婚を経験している子供の物語。まだ父母が揃ってこそ子供は幸せというステレオタイプが強い、この時代に、このような絵本が存在することにいろいろな意味での良心を感じます。

 2冊とも人間の想像力のあり方を考えさせられます。最後の頁をめくるとき、かすかな震えを感じる方は多いと思います。

 アンパンマンで勇気や愛を描いたやなせさんが、「復讐」について綴った絵本です。その怒り、悲しみ、そして苦さを余すところなく描いており、いわゆる世にはびこる「復讐もの=痛快」とはほど遠いのが、名作と言われるゆえんです。

 次に絵本として、美しい作品です。絵本の可能性を広げてくれた作品も紹介します。

 タイトル通りです。ストーリーに何のひねりもありません。この地球で、ただただ朝を迎えられたことに感謝したくなります。

 カズレザーさんがアメトークでも紹介していました。図書館では、いわゆる子ども向けの絵本コーナーではなく、芸術・画集のコーナーに置いてあると思います。文字のない大型の絵本で、独特の哀愁があります。

 細密な絵も素晴らしいですが、名画がいくつかこっそり描かれていて、それを探す楽しみもあります。シリーズ化されています。

 写真絵本の先駆けですね。木に人生を観てしまいます。

 作品を創作する、とは?という大事なことを教えてくれる2冊です。特に『てん』は頓知のようで大好きです。

 偉大なナンセンス絵本作家・長新太の作品です。世界がひっくり返るような驚きがあります。マツコデラックスさんもテレビで驚いてました(笑)

 人間が本来的に持っている恐怖心に訴えかけてくる文と絵です。本格怪談絵本の最上級品です。本当に怖がりな方は読まない方がいいと思います。ただ、怖い物は共有したくなるので、お勧めします。

 絵本は以上です。この記事も随時、更新かけると思います。また、新しいジャンルも徐々に書きたいと思います。

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