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今夜も 賑やかにさざめく 糸たちを 経糸にくぐらせながら ほのかな灯りに 頬を照らし 川の汀…
葦舟で届く手紙は いつも 真っ白で 初めのころは 言葉が流れてしまったのだろうかと 思い悩み…
わたしの鼓動は キーを打つ わたしの想いが 鼓動で打たれる まだ、 わたし自身が気付いてい…
遥かに見える山なみ 刷毛で掃いた水彩画のように 笑い声で滲んでいた色彩たちが 柔らかな緑に…
マリンバは 星が降るのを 待っています 星が瞬き 雫のように 零れ落ちて 自らに 降り注ぐの…
蕾かたき桜は 淡く染まり 月明かりに 映る まだ若き 春の色を その身に 満たし 艷やかに …
今、なんて言ったのかな? 音の連なりが 風にのって 僕の鼓膜をかすめたんだ 銀の鈴を一振りしたような 青空から降る一粒の雨のような 小鳥が一声さえずったような 僕の鼓膜は 君が風にのせた 音の形を どうも とらえそこねたらしい なのに 鼓膜の奥は こぼれてきた音の雫が 無数の波紋を広げるように 君の声の響きに 満たされた 今、なんて言ったのかな? もう一度 風にのせてほしい 星のひと雫が シロフォンにこぼれるように 君の一小節の声を 響かせていたい
何してるの? おいでよ、早く キミは 待ちきれないように 手を差し出すけど おばかさん わ…
そんなに怒らないでよ いや、僕が悪い 時間に遅れた僕が 何と言っても悪い わかってるよ 君…
この波は どこからくるのかしら 君はつぶやく もうそろそろ帰ろう ぼくは 答える 星が瞬き出…
夜の湖水は 霧に沈み 吐息は わたしを包む ヴェールになる
星が瞬くから 鼓動が響くのか 鼓動に震えるから 星が滲むのか あなたと見上げる 冬の夜空に
恋が憧れであるときの 心のぬくもり あなたを ただ 見ていればよかった 今は ひりひりした…
覗いてはならない 目の奥を見ようとしてはならない 探ってはならない 心に触れようとしてはならない それは 刹那の交わりと引き換えに 結ばれた誓い 見えたら 熾してしまうだろう 触れたら その指が この世界に続く 導火線になるだろう わたしの中に疼く火を 世界を燃やし尽くしてしまう 青白い炎にしてはならない この刹那の 奔流に悶えるいとなみの中 わたしの肌を撫でる 吐息の熱こそ 貴方の存在の意味 わたしの中に 疼く火こそ わたしの存在の意味 赤々と疼く火