ケサランパサラン〜 粉雪が舞った日に
昔、付き合った恋人は
雪は白いからいい 黒だったら悲しい
なんて事をポツリと言う人で
ケサランパサランを見つけたら 君に会う願いが叶うだろうか
なんてことも言う人だった
ケサランパサランはフランス語で「見る」という
意味があるらしい
君のことは いつも探してる
新しい君 いろんな君
とも、言っていた
恋人 lover
いつも終わりを孕んだ 先の見えない苦しい恋だった
彼のすべてが欲しくて細胞のひとつひとつが粟だつ
狂気とイノセンスの狭間で 少しでも手を離せば消えてしまいそうな想いに惑う
恋人 lover
その言葉をよくよく見れば over
終わりを内包している
振り続ける雪をそっと掌に翳せば
瞬く間に儚くとけてゆく
チラチラ舞う雪はケサランパサランのようだった
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