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逃げ出す勇気

今日職場で家族連れの来店があり。
子供が4人とご両親の6人家族で。
ほかのスタッフが接客しているのを
わたしは遠くから聞いていた。

なぜか奥さんに違和感を感じる。
子供に無関心な感じと
吐き捨てるように独り言を言う姿。
「なんか変やな」と思っていたその時。
奥さんが前を通った。

腕に青あざ。手首に青あざ。
化粧で隠しているが顔にもうっすら青あざ。
コケて出来たものなら
他にも擦り傷とかありそうなのに
あぁ…これは殴られてるんだな、と
直感した。

わたしもDVを受けていた過去がある。
子供もいるのに殴られ、蹴られボロボロだった。
義母に相談したが
「怒らせるあなたが悪い」と言われた。
診断書をもらいに行った病院では
受付で、周りに聞こえる大きな声で
「暴力振るわれて診断書なんて
そういうのやってないんで。」と言われた。

これは夫(元)に殺される、と思った時
見つからないようこっそり警察に電話した。
「保護してください、と言ってもらわないと
動けないんです。」と言われた。
「保護してください。」
…言ったあと、情けなくて涙が出た。
子ども3人を連れてシェルターに保護してもらい
偽名を使ってしばらく滞在した。
必要最低限の下着などを与えてもらいながら。
ただ貯金があり、行くところがあったわたし達は
数日でシェルターを後にすることになった。

短い滞在だったけれど様々な人に会った。
顔に青あざのある人も普通にいた。
行くところがない人はシェルター隣接の作業所で
働いていたと思う。
全員偽名で外部から守られる様になっているが
同じような傷を持つもの同士、話が通じる。
みんな集まって連絡先の交換をしていた。

わたしはその輪に入らなかった。 
暴力を受ける生活から抜け出せなくなる気がした。
誰にも本名を言うことなく、シェルターを出た。

でも多くの場合がそうなように
わたしも何度も逃げてはまた戻った。
最悪の状況から脱出するのは
相当の精神力と覚悟が必要だ。
子供を抱えていれば尚更、先の見えない不安と戦う。

わたしは20年かかって、よくやく脱出した。 
生活は頑張ればどうにかなった。
なぜもっと早く脱出しなかったんだろう、と思う。
でもほんとうに難しいのだ。

今日のお客さんの事は見ているしか出来なかった。
わたしがアクションを起こすことで
奥さんは家でまた殴られるかもしれない。
子供たちにも被害が及ぶかもしれない。
知っているだけに何も出来なかった。
とてもモヤモヤする。

もし、今も暴力を受けている人が
このnoteを見ていたら知って欲しい。
世の中は味方ばかりじゃないし
金銭的に楽には生活できないかもしれない。
でも精神的自由と、子供たちは守れる。
危ないと思ったら、警察に連絡するでもいいし
女性シェルターに相談に行くでもいい。
悔しい思いもするけれど、
じょうずに助けてもらいながらやればいい。
まず自分が動き出さないと、抜け出せない。
動き出すのは精神的にも体力的にもキツイけど
幸せになる資格は誰にでもある。
暴力を受けているのは、おかしいと気づいて欲しい。
自分と子供を守れるのは極論あなたしかいない。

もっともっと自分の可能性を信じてください。

※日本にはDV被害者を支援するための様々なリソースがあります。例えば、内閣府男女共同参画局が提供する「DV相談ナビ」は、全国共通の電話番号(#8008)から相談機関を案内するサービスです。24時間体制で電話相談が可能で、メールやSNSによる相談も受け付けています。また、東京都では配偶者暴力相談支援センターや警察が相談を受け付けており、匿名での相談も可能です。

もしDVを受けていると感じたら、できるだけ早く相談することが重要です。加害者から逃れるための一時保護や、保護命令の申立て、経済的支援など、様々な支援が利用可能です。情報の取扱いには注意が必要ですが、安全な場所から相談することをお勧めします。

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