3.「Joey(ジョーイ)」directed by William Ash and Andrew Knottを観た感想(ブリリアショートショートシアターオンライン)

 本日は自分の人生について語るというよりも、ショートフィルムを試聴した感想を語ることにする。なんとなくツイッターを見ていたら、ショートフィルム「Joey」を観た人の感想が出てきた。その文言になんとなく惹かれて、ブリリアショートショートオンライン(https://sst-online.jp)に登録して「Joey」を観た。登録をすれば無料で観れるのでオススメです!
【フィルムについて】
 14分のフィルムである。内容としては、主人公であるクラウンの格好をした男性Joeyと彼が通うカフェ店員の女性Annie二人の恋の物語である。Joeyには「ある秘密」があるのである。
【感想①】
 このフィルムを観て改めて芸術に触れることの素晴らしさを感じた。作品を鑑賞するその時間は、日常生活の忙しなさから一旦離れる時間をくれるのである。フィルムという作品を通して「知り得なかった自分」を発見したり、自分の人生について見つめ直してみたり、感情を動かされたり、作品に触れた人しか感じることが出来ない充実した時間を過ごすことが出来た。出来ることなら時々こうした芸術に触れる機会を増やしていきたい、そんな風に思える作品に出会えた。

感想②はこのフィルムのネタバレにも繋がることを書くので、フィルムに興味がある方はこちらをご覧下さい。

【感想② 最初からネタバレあります!!】
 このフィルムは、主人公の素顔がクラウンであることに気がついたAnnieが、主人公と同じようにクラウンの格好をして主人公の前に登場するというところで終わる。主人公のJoeyの驚き+感動の表情がなんとも言えない。
 クラウンの見た目が「素顔」であったという演出を観て斬新であると感じたが、同時にクラウンの顔が素顔であるはずがないという無意識的な先入観からこの作品を観ていた自分の中に無意識的にある「偏見」に気がついた。日常生活の積み重ねの中で出来上がった無意識的な偏見に気がついた時、なぜそうしたバイアスを持って物事を見ていたのか、バイアスがどのような物かその性質を認識した上で今後どのようにその自分の中で作り上げられたバイアスと付き合っていくのかと自分の物の見方を疑い、アップデートしていくつもりである。
 このフィルムの視聴後、クラウンの見た目であったことでこの主人公がどんな思いをしてきたのだろうかと思いを馳せた。自分とも重ね合わせ、自分もJoeyのように他の人とは違う自分の姿を取り繕って化粧をして見えないようにして「普通の人」「世の中一般にいる人」のように振る舞うことがある。そうすることで、大切な人を傷つけないし、自分が傷つかなくて良いと考えるのだ。しかしながら、本当の自分の姿を隠し続けていくことで本当の自分の姿を醜いと感じるようになっていくという負のループに陥るのである。そんな負のループの中、主人公は生きてきたのだろうか、そんなことを考えた。
 また、この映画が伝えているメッセージについて考えてみた。この映画は、大切な人が抱えている「秘密(本人はネガティブなものと捉えている)」に出会った時、我々はどのように行動するべきかという問いに対する一つの答えを提示しているのではないかと考えた。大切な人の抱える秘密から距離を取るのではなく、一緒にその秘密を共有し、共に悩む、そんな一歩一歩が大切なのだということをこのフィルムを通して私は学んだ。当事者の抱える闇を全て受け入れることは出来なくても「一緒に歩んでくれている人がいる。」と当事者が感じることができることが大切なのではないか。そんなことを感じた。
 私も辛くどうしようもない時期を過ごしていた時、共にその辛い道のりを歩いてくれる人たちがいて、とても救われた気持ちになった。つらい思いをしていた時の私は豪雨の中を一人でひたすら歩いているような感覚だった。私を支えてくれた人たちは、豪雨から身を守るための傘をさして一緒に歩いてくれ、その上雨の影響を受けない建物の中まで案内してくれるそんな風に私に接してくれた。私も私を支えてくれた人たちのように豪雨の中にいる人に傘をさして共に歩ける人になりたい。出来ることなら、安全な建物の中まで案内出来るような余裕を持った人となりたい。


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