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知っておきたい、空き家問題

財産整理についてたくさん書いていますが
今回は少し詳しい方面に脱線して
”空き家問題”について掘り下げてみます

今現在そういったものを持っていない
自分には現金資産ぐらいしか…

そう思っているあなたでも、
もしかしたら今後いつか
この知識が役に立つかもしれません

また相続の過程で共有名義のなかに
あなたの名前が入っているかもしれません

実は結構リスクの高い空き家問題…

亡くなる前に気になっていても
分からないことが多いと手が出せません

当ブログはそんな方に向けて
まずは”本当の基礎”から書いていきます!



《空き家にも呼び分けがある?》

空き家と聞くと、どんなものが浮かぶでしょうか

住む人がいない家?
ボロボロで住めない家?
山奥や僻地すぎて買い手がいない家?

今回とりあげる”空き家”は
賃貸の借り手待ちなど短期間のものは除いています

親類縁者がなくなったりすると
その人が住んでいた家を売りに出したり
貸し出したりすることが一般的かと思います

しかし老朽化や衛生問題などから
”特定空き家”や”管理不完全空き家”と呼ばれて
不良債権となってしまう空き家があるのです

管理された空き家であれば固定資産税が1/6のものも
不良債権化することで満額課税になることが…

元々実家だったなど愛着があれば
取り壊しやリフォームは抵抗があるかもしれません

しかしこの呼び分けに引っかからないよう
管理や知識をしっかりつけておく事が
回り回って財産保護に繋がるでしょう



《”特定空き家”とは?》

では”特定空き家”とは
具体的にどのようなものでしょうか

老朽化や衛生問題と言うと簡単ですが、
・居住不可だけでなく崩落の危険性がある
・工材の老朽化による衛生問題
・管理不全により景観を損なう物件
・周辺地域の治安維持に支障をきたす物件
など条件があります

古い家屋だと土壁や工材の劣化で
粉塵やホコリが充満してしまい、
呼吸器疾患を引き起こすこともあります

畳や木材の劣化で虫がわけば
害虫の巣になるばかりかシロアリによる
家屋崩壊の危険もありますね

こうして例を挙げられたら
自分の管轄でなくとも思い当たる物件が
記憶にあったりするのではないでしょうか



《”管理不完全空き家”とは?》

では”管理不完全空き家”は
どんなものなのでしょうか?

こちらは2023年に改正されたので
かなり新しい基準であると言えますが
いわゆる”特定空き家予備軍”のことです

いずれ特定空き家になると思われる、
・管理怠慢状態の空き家
・相続人の自覚がなく手入れされていない空き家
・管理人が遠方におり放置された空き家
などが対象になります

特定空き家にならずとも
登記の名義人に多額の固定資産税が
かかることがありますので注意が必要です



《空き家にできる法的対策》

では最後に、そんな空き家に
どんな処置や対策ができるのかということです

既に空き家になって長いのであれば
土地ごと売りに出したり
国の持ち物に返すという手段もありますね

そして空き家になる可能性がある、という
段階でとれる手段としては、

①あらかじめ手放す準備をする

売りに出したり国庫に返したりするにしても
土地上に建物があるのかどうか、
他人の名義が入っているかどうか、
売った場合の売上金はどう扱うか、
など備えておくことがあります

国庫に返すにも条件があり、
下調べが必要だということなのです

またこれに関しては条件が厳しいため
弁護士や土地の専門家などに依頼して
協力を仰ぐのが賢明でしょう

また不動産登記の名義人というのは
複数存在する場合もあります

共有名義となっている不動産は
自分の持分の中でしか裁量できません

つまりあなたが手放したくても
他の共同名義人が同意しなければ手放せないのです

名義人の統一を持ちかけるか、
自分の持分を放棄する手続きが必要になります

②遺言書や遺贈を利用する

次に遺言書や遺贈を利用して
特定の誰かに管理を委任してしまうという方法です

共有名義となって放置されることを防いだり
住む人を見つけることで管理できる環境を保ったり
メリットがわかりやすい方法ですね

相続や遺贈となれば受け取る人が
受け取った後に好きなように扱えますし
事前承諾の必要もありません

また少し複雑な方法になりますが
”遺言書に書かれた遺贈財産以外は相続放棄する”
という方法で国庫に返すという手段もあります

しかし相続人は相続放棄をするため、
遺言書には相続させたい財産を
遺贈財産として正確に書かなければなりません

また正式に国庫となるまでは
相続人に責任が所在するため
すぐに何も気にせずというわけにもいきません



《まとめ》

いかがでしょうか

今年法改正があったばかりの空き家問題
タイムリーながらトラブルが多いです

事前に取れる手立てがあるならば
しっかりと知識があるに越したことはないでしょう

自分の財産の把握と併せて
空き家を保有していないかどうかも
調べておいてはいかがでしょうか?

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