見出し画像

その親切は、目の前の相手ではなく、さらに向こうの『誰か』のために。

雨で床が濡れてるバスの中。

目的地に着いたので降りようとしたら、同じタイミングで前方にいた子連れのお母さんが立ち上がりました。
『お先にどうぞ』と、目線と会釈で譲ってくれたので、こちらもアイコンタクトと会釈で『ありがとうございます』とペコリ。

すると、隣にいた3歳くらいのお子さんが
「あっ、◯◯行きのバス!」
ちょうど乗り換えする予定のバスが到着した様子。
慌ててお子さんを抱えたお母さんに、通路をあけて「どうぞ」と譲りました。

降車口で精算時にICカードの残金が足りなかったようで、小銭を出そうとして焦ってもたつくお母さん。
その後ろでじっと待つわたし。
ようやく無事に支払いを終え、急いで次のバスへと走って行きました。

『がんばれー、急げー、間に合えー』
と心中で応援して
『……でも、最後に、ほんのちょっとだけでいいから、「ありがとう的要素」が欲しかったな……』
と、浅ましいことを思ってしまいました。


うん、分かってる。
急いでるし、雨降ってるし、滑りやすくて足元あぶないし、小さなお子さんがいらっしゃるし、乗る予定のバスが思ったより早く来ちゃったし、慌てる要素しかないよね。そもそも先に譲ってくれたのは、あちらなんだし、いい人なはず。

無事にバスに乗れてちょっと落ち着いたあと、『先を譲ってもらったから間に合った。なのにお礼を言いそびれちゃった』なーんて思ってくれたらいいな、と。こっそり思いました。


なぜかと言えば、わたしがいつもやらかしてる(?)ことだから。


先日、電車に乗っていて席を譲ってもらったことがありました。もちろんその場ですぐにお礼は言います。ですが、降りるときにもう一度お礼を言いたいと思うんですよ。なのにいつもウッカリしちゃうんです。

過ぎてから
『あっ、しまった!ありがとうって言いそびれた!最後にもう一度ちょっと会釈をしたり目礼するだけでもスマートでよかったのに!こんなあっさりとスルーしちゃって、もし万が一億が一にでもあの人が「やるんじゃなかった」とか思ったとしたら申し訳なさすぎる!いや、そんな人じゃないとは思うけどあああああごめんなさい、ありがとうございます。めっちゃ感謝してますぅぅぅ』
と、脳内で後悔の嵐が巻き起こり、頭を抱えるんです。


そして1人反省会を開いたあとは、全方位に対して、いつも以上に親切に振舞います。感謝の念は忘れずに伝えるようにして。


そんなに長くは続きませんけどね(笑)。
それでも、いただいた「ありがとうの気持ち」を誰かにバトンパスできれば、まぁいっか、と。

なので、前述のお母さんも、どこかで誰かに優しくしてくれてたら(多分いい人だから大丈夫)、「ありがとうのバケツリレー」は広がっていくんだなぁ、そうだとすると嬉しいなぁ。なーんて思いました。

今日は、穏やかないい人のままで終われそうです(笑)。
明日もいい日でありますように。

では、おやすみなさい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?