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開催まであと19日![リュウの恐竜展小話]その⑫

こんばんは!
古生物探究クリエイター(自称)のリュウです。
[リュウの恐竜展2]開催まであと19日!
今回はこれまでと嗜好を変えて、ちょっと裏話成分強めで送らせていただく(また)シリーズ、[参考書物録]をお届けしたいと思います。
最近はインターネットで検索するだけで欲しいもの・欲しい情報がすぐに手に入る時代ですよね。ですが、どうしてもネットの情報は玉石混交、しかも痒いところに手が届かない、または届かせるどころか痒い所を掻く気すら見えないような怪しいものもたまにあります。
そんな中で、私は古生物の絵を描く際や説明欄を書く際には、必ず[本]を活用しています。「そんなの当り前じゃないか」とお思いになるかもしれませんが、怪しいサイトや主観たっぷりのサイトより、本の方が見てて何倍も楽しいものです。

という訳で、前回の[リュウの恐竜展]でも大量の参考文献を用意しましたが、今回の展示は恐竜以外にも様々な生物について取り扱う必要があったため、文献の数も自ずと増加しました。
今回はその増えた文献の中から何冊かピックアップして紹介していこうと思います。
今回紹介するのは岩崎書店の絵本図鑑シリーズから、1996年に出版された[マンモス探検図鑑]を紹介します。

[マンモス探検図鑑]の表紙。
恐竜しか知らなかった幼いころの私は、
この表紙に驚いていたと思います。

この絵本図鑑シリーズでは[恐竜探検図鑑]という本の続編と思われますが、絵を描いた村岡達英氏のダイナミックかつ生き生きとした生き物たちの様子には、心躍るものがありました。
恐竜じゃない!でもめちゃくちゃカッケェ!
多分この本がなければ私が古生物全般を好きになることは無かったんじゃないだろうか、それくらい私の中で印象深い本、それが[マンモス探検図鑑]となっています。
そんな[マンモス探検図鑑]を、私が特に心躍った・印象深かったイラストと共に紹介していきましょう。

バシロサウルスとザイゴルヒザ。
ザイゴルヒザは恐らく[ジゴリーザ]のことではないだろうか。

まずこの本は、マンモス館と呼ばれる、新生代の古生物を取り扱った体感型アミューズメント施設を、マンモスロボに乗って探検するという内容です。
明らかに建物の体積に収まりきらない広さを持つこの施設ですが、このマンモス館の魅力は、なんと[絶滅したはずの古生物を、当時の自然・生態そのままに観察できること]なのです。わかりやすく言えば、「事故が起こらなかったジュラシック・パーク」みたいなところでしょうか。

漸新世のアジアの想像図。
この4つの選択肢の中で選ばれなかったルートから入るとどうなるかは
個人的に知りたいところ

マンモスロボは超合金性で水陸あらゆる環境下での活動が可能。人工頭脳や快適な各種設備、ハイテク技術に包まれたトンデモメカです。
もっとも、生身のまま自由に散策しようものなら肉食獣に食われてとんでもないことになってしまうので、これくらい過剰に身を固めた方が逆にちょうどいいのでしょうか。

木の葉を食べるブロントテリウムと、草を食べるヒラコドン。
ブロントテリウムは、最近[メガセロプス]に名前が変わったようだ。

展示されている古生物の内容は、有名なものから少しマイナーなものまで幅広いものになっています。当然と言うべきでしょうか、本の内容は当時最新の古生物学に裏打ちされた、緻密な内容となっており、この[乾燥による草原の拡大と、対応できなかった種の絶滅]というイベントも、この一枚絵としたの6コマ漫画でうまく表現できています。
ちなみに、先程出した絵の中のインドリコテリウムは、最新の研究ではパラケラテリウムに名前が変わっています。こういった時代の移り変わりを楽しめるのも、古生物学のいいところです。

ダイノテリウム(デイノテリウム)を集団で狩猟するホモ・ハビリス。
この次のページでウマと一緒にゾウの進化の歴史を解説した図が描かれている。

この本の中には様々な魅力的な古生物が示されており、私もその中でいくつか好きな種はいますが、そのうちの一体にこのイラストの真ん中で、鬼のような形相で戦っているデイノテリウムがいます。この像は下あごから牙の生えた不思議な古代のゾウの一体で、主に地中の根・根菜などを掘り出すのに使っていたのではないかと考えられています。
こんな風にイラストの真ん中で「俺が主役だ!」と言わんばかりに描かれている古生物に、私含め読者は魅了されてしまうのでしょう。

更新世の南アメリカの森林地帯にて。
今ではよくわかるが、当時はオオナマケモノくらいしかよくわかる内容は無かった。

内容が内容だけに、古生物のステータス紹介はかなり丁寧に行われていました。当然幼いころはそんな分類なんてわかんない訳で、例えばこれでは「これがナマケモノ?ちょっと怖い」だの「滑距目って何?南蹄目って何?」だの「ゾウみたいに鼻が長ーい」くらいしか感想がありませんでした。
それが今になってはどういう意味なのか分かるようになったりしてくるので、成長してから改めて見直すと、「あぁ、これってこういうことだったんだ!」という気づきにつながったりしました。
そういう意味では、本当に読んでいて楽しかったです。

という訳で以上、[マンモス探検図鑑]の紹介でした。
次回も私が読んで、展示の参考にした文献の中から、面白そうなものをピックアップして紹介していこうと思います。
それでは皆さん、良い探究ライフを!

[リュウの恐竜展2 〜みんなで遊ぼう![古生物サバイバル!]超試遊祭~]
開催日程:2024年3月24日 12:00~19:00
開催場所:東京都文京区本郷4-1-7 近江屋第二ビル6階 探究学習塾エイスクール本郷校


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