KEI

日々の所感を書いています

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悲しみの果てはあるのか

祖父の死の前後、私がもっとも難渋したことは、”悲しみの中和”だった。 祖父は去年の秋に施設内で転倒し骨折した。その骨折がきっかけで亡くなるに至ったのだが、入院中はせん妄がひどく、「敵が来る」「泥棒に襲われる」「戦わなきゃ」との発言を繰り返していた。状況を正しく脳が把握できず悪夢を見続けているような状態だったのだろうか。知らない部屋、知らないベッド、知らない人、痛い身体。祖父の不安、焦り、後悔、いろんなことを考えると遠くに住むこっちまで毎夜苦しくなった。 結局、超高齢である

    • 拝啓、

      皆さま、相変わらず世の中はご覧の有様ですがいかがお過ごしでしょうか。 わたしの近況としましては、「2021年の運勢」では12年に1度の幸運な年と言われていたにもかかわらず、1/1から上司と喧嘩するわ、外部向けの資料作成が数件団子になって押し寄せるわ、1月半ばからは仕事場がてんやわんやになり終了のお知らせが自分の中で何度もアナウンスされるわ…と、まずまずの忙しさでした。そして極め付けに、去年から体調を崩していた祖父が2月に亡くなった。最悪です。今までの人生の中で最もと言ってい

      • 曇りの日

        ある秋の日の日記 ・・・・・・ 気分が鬱屈とする日は歩くに限る。 休日、家の中に籠って過ごしているとどうも気分が落ち込んでくることがある。今日がそんな日だった。終日曇りで、やるべきことはあるがやりたいことはない、後ろから灰色の何かがもったりとのしかかる、そんな日。そういう時には何の理由もなくとも外に出て、世界が動き移ろっていることを確認するだけで安心する。精神の換気みたいなもので、気分がすっきりとし靄が晴れ思考がすっきりとしてくる。靄が晴れてくるとだいたい根元は同じ、い

        • 夏の頃

          ある人がこの世を去った。 人望もあり たくさんの人から愛される人だったという。面識はない。ただ、有名人なので顔と名前と活動の断片は知っている。でもファンという訳でもなく、苦手だとすら思っていた。 彼がいなくなったあと、たくさんの人が「あんなに努力家で気配りもできて、才能もある人が」と口にした。有名人も私の知り合いも。電車で隣に座った人も。近所のおじさんまで「あんな綺麗な目をした若者は他にいない」と言っていたくらい。 彼のことを語るさまざまな人たちが発した言葉を聞いて初め

        悲しみの果てはあるのか