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【D-43】이달의 소녀の満ち欠けとARTMS

最初からかなり変なグループでした。

一人一人に合わせた完璧なデビューティザー

12人のメンバーが、毎月1人ずつソロデビューしながらお披露目されていく。
最終的にメンバーが揃うのは単純計算で1年後。

(しかも実際はソロデビューの合間にユニット活動もあったので完全体12人でデビューした時、1人目のソロデビューから2年近く経っていた)

刹那的に入れ替わりの激しいアイドル戦国時代とは思えない時間の使い方。

その上、そんなデカすぎる前フリにも負けない圧倒的なメンバー個々のビジュアルとパフォーマンス、クリエイティブと曲のクオリティの高さ。

SMエンタでもコスパ悪すぎてやらないこの手法に「どこの石油王がやってんだ」と何度も思いました。

そんな이달의 소녀というグループに初めて触れたのは、6人目のKim Lipがデビューしたとき。

まず曲が好き、そしてまるでBoAみたいな深みのある歌声が好き、ダンスも上手、赤が似合う金髪の美人、正直言って顔もめちゃくちゃタイプ……

6番目だから全メンバーのちょうど半分。これまでの5人も可愛くて素敵だけどこの子が1番好きかもしれない。でももっと好きになる子がこれからの6人にいるかもしれない。

そう思って이달의 소녀を追いかけて、結局わたしは最後までキムリプが1番好きなままでした。一目惚れとはこういうこと。

キムリプ好きに拍車をかけたのが、ODD EYE CIRCLEのユニット活動でした。

今でも「夢みたい」と思うぐらい、わたしにとって完璧な3人組です。3人ともそれぞれが大好きで、でもやっぱりキムリプがかわいくて、曲も良くて、3人のバランスも相性も最高。

3人が生きてる風景が美しすぎて、OECというユニットがあるというだけで涙した夜もあったりなかったりしました。

ただ、이달의 소녀がデカすぎる前フリを回収するにはやっぱり現実は厳しかった。完全体デビュー後にこれまでの彼女たちの世界観を作り上げてきたプロデューサーが辞め、一気に路線変更。かなり色々あったのを端折りますが、本当に色々ありました。

詳しくはこちらを読んでみるとよいとおもいます

だから、デビュー当初とは全く違う「So What」という曲でグループが広く注目されはじめたことが本当に悲しくて悔しくてショックでした。

神秘に包まれた宇宙人みたいな女の子たちだったのに、ストーリー性のある人間のKPOPアイドルにされてしまったなと思いました。

当時は悔しくてそれすらも口に出したくなかったし、それでも応援したいから一生懸命褒めるところを探してたけど今だから言えます。あのとき、わたしの大好きな이달의 소녀はもうこの世界にいませんでした。

上記のブログにも書いてありましたが、件のプロデューサーが離れた以降の이달의 소녀は、「原作の漫画が終わったあと、アニメオリジナルをやっている」状態だと思います。まさに。

わたしは原作厨だったので、メンバー(キャラ)への愛だけで追いかけ続けることができませんでした。原作を「古いもの」にされていくようなあの感じが許せなかったのでしょう。作り手に執着するタイプのオタクなので。。

それからの彼女たちは花道だけを…ともいかず、なんか知らんけどさらに過酷な状況になってました。KPOPあるある、事務所と揉めて泥沼化。マジ見てらんなすぎる。

彼女たちの過去の名曲がサブスクから消えたり復活したりするのに一喜一憂しながら、이달의 소녀の伝説はもう蘇らないのだとなんとなく思ってた。

しかし、2023年、ODD EYE CIRCLEがカムバックしました。

嘘すぎる。さすがに嘘すぎる。そんなわけないことが起きたのです。

あえてOECとして出すということは、もう越えられない伝説と化した이달의 소녀というグループを、彼女たち自身の手でまた新しくつくりあげようとしているのだと感じて泣きました。

初めて「Girl Front」を聴いたときの幸せが蘇りました。なぜならこの新生ODD EYE CIRCLE、およびそこに이달의 소녀のメンバー2人を加えたARTMSを手がけているのは、이달의 소녀を作り上げたプロデューサーだからです。(ウェーン)

そうして、ついにARTMSがアルバムをリリースしました。本当におめでとう。ここまで長かったね…

MVが衝撃的すぎてまんまと食らってしまいました。

わたしは何度だってあのプロデューサーのつくる世界に心を奪われます。わたしの心なんてあるだけ奪って良いので、もうどこにもいかないでくれ…と切望します。

月の満ち欠けのように大きくかたちを変えながらずっと輝き続けている彼女たちは、宇宙人のような少女でもただのKPOPアイドルでもなく、静かに優しく夜を照らす女神のような存在、かもしれません。

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