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ヘビの輸送(お店から自宅 ほか)

ヘビの健康に "トラブル" が起きやすい、あるいは "特に大きなストレスがかかる" リスクの生じるシチュエーションの1つが "ヘビの輸送時" です。
具体的には、お店でヘビを購入して自宅へ持ち帰る際、あるいは転居などでヘビを長距離輸送する必要がある場合などが考えられます。

少し話題が逸れますが、ヘビは私たちが考えているよりも、ずっと必要とする "有酸素運動" の割合は少ないものと思われます。

例えばブラーミニメクラヘビなど、身体が小さくて特に脱走の得意な種においてはカスタムケージの完成までにかかる数週間、あるいは1カ月程度の期間、完全に密閉したケースで管理することがあります。
こうした場合、餌の交換や換水などの際にフタを開けるだけで特に空気孔を開ける必要はなく、弱る・死んでしまうなどということはありません。
*ただし、ヘビはどんな種でもあっても "蒸れ" には弱いので、この点だけは気をつけてあげる必要があります。

このように有酸素運動の割合が少ないことからも分かるように、輸送にかかる数時間あるいは数日程度であれば、密閉状態でも弱ることはありません。
むしろ輸送時に何よりも気をつけるべきことは、外の光・音・振動をできるだけ遮断する配慮です。

ヘビの購入時、多くの場合、お店では簡易な樹脂製のケースにヘビを入れ、その上で紙袋などに入れて渡されることが多いでしょう。場合によってはウッドシェイブなどをケースの中に詰めてもらえる場合もあります。

外から見えないように、という点ではこうした配慮も有効ですが、さらに輸送中にケースが "動かない" "振動しない" ようにしなければなりません。
したがって、購入時には自ら輸送用のケースを持参し、それにヘビを入れてもらって持ち帰ることがベストです。

こうした際に使用する輸送用のケースは "二重" に遮断されたものが理想的です。
具体的には小型のダンボール、その底にヘビのサイズに合わせたタッパーケースをガムテープで止めて "タッパーケースがしっかりと動かないように" 固定します。
タッパーケースの中に入れる素材はウッドシェイブでも良いですが、できれば枯葉やチモシーなどが理想的、これをタッパーケース内にできるだけ隙間なく詰め込みます。

その上で、(タッパーケースをガムテープ止めしてある)段ボールの中をエアパッキン(プチプチ)で隙間なく埋め、万が一にもガムテープが剥がれてタッパーケースが動いたりしないように配慮します。

ヘビの購入の際には、あらかじめ(蓋は開けたままの)タッパーケースをガムテープどめしたダンボールを用意し、お店にもち込みます。その上で、"これに入れてください" とお願いすると良いでしょう。

購入後にヘビをタッパーケースに入れ、充填材(枯葉など)で密封してタッパーケースの蓋を閉じ、さらに上記のような震動防止の措置を取って持ち帰るとよいでしょう。
本来ならこうした輸送用のケースをお店が用意してくれるのが理想的ですが、現状では爬虫類の専門店にこうした処置をお願いすることは現実的ではないでしょう。
*売れてしまえば後は知らない、というようなお店が大半を占めている現状は非常に残念なことです。

この輸送用ケースはもちろん転居の際にも利用できます。自動車で輸送する際には、段ボール自体もロープなどで自動車のカーゴ部分(荷室部分)にしっかりとホールドして動かないようにします。
とにかく輸送中にケースが動かないような配慮、まして横倒しになったり箱の中でグラグラと揺れたりは絶対に禁物だということを頭に入れておく必要があります。


今回はヘビの輸送の際のケースについてご紹介しました。
購入後、ケージに収納するまでの間は先の通り最もヘビにとってストレスが大きい時間ですが、意外に配慮が薄い傾向があるようにおもいます。

立ち上げ後、ケージ内で落ち着くまでの時間、あるいは餌を食べてくれるまでの時間を短縮するという意味でも、輸送時の配慮は非常に重要なことです。
もし今まで特に意識されていなかった、という方がいらっしゃいましたら、今後は上記のようなご配慮をお願いできるとよいかと思います。

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