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ヘビの寿命を確実に縮める "構いすぎ" と "構わなすぎ" 〜飼育個体数の制限について

ヘビを健全に、健康に飼育するために必要なことはいろいろありますが、一番のポイントをざっくりいうと "放っておくこと" と "飼育個体の状態を確認すること" のバランスということになるでしょう。

ヘビは人に馴れる動物ではないため、基本的にはできるだけ "放っておく" 方がストレス負荷は少なく、健康を維持できる傾向があります。

一方で、では完全に放置しておいて給餌その他の管理の際にだけ世話をしていれば良いのか、というともちろんそんなことはありません。

ときにはケージ内で予期せぬ事態が起こることも全くないとは限りませんし(器物の転倒や多頭飼育している場合のそれぞれのヘビの接触トラブルなど)、疾病や外傷などがないかを確認することも重要です。

また、個体のサイズが大きくなればそれに伴ってケージを更新しなければならないことから、飼育個体の成長の度合いを確認する必要もあります。

以前にヘビの飼育は ”飽きとの戦い” という話しをご紹介しましたが、実際には1個体ごとに必要な管理、確認事項は決して少なくないと言えます。

飼育管理者 "一人" でできる作業量が限られる中で、当然、飼育個体数が増えてゆけばどこかで健全・健康な飼育管理に無理が生じてくることが考えられます。

中には "釣った魚に餌はやらない" の言葉のように、飼い始めてしばらくすると飼育管理に雑さが出てくる人もいるようですが、飼われているヘビの側からすれば、自分の健康な生涯のカギを握るのは飼育管理者しかいません。

多くのお店が ”新入荷” の情報を日々流し、あるいは "レアな種" などとうたって新しい個体の購入を促しますが、まずは手元にいるヘビの健康・健全な飼育を第一に考えてほしいというのが正直なところです。(もちろん飼育管理者それぞれに事情があり、それぞれの欲求・嗜好があるわけですから、これを押し付けることなどはナンセンスだと承知の上で)

個人宅のペット・愛玩動物だけではなく、動物園などの展示施設を含めた "人の飼育下の動物" と "自然下の動物" との寿命を比較したとき、"飼育下の方が寿命が短い" というデータもあるようです(https://shyoku.com/mentality-10)。

これは少なからず飼育下におけるストレス負荷が影響している、と考えられます。そしてそのストレス負荷は、"構いすぎ" か "構わなすぎ" のいずれかに起因していることが少なくありません。

ヘビにおいては特に、構いすぎがストレスになるのはもちろんですが、同時にきちんと目の行き届くだけの個体数を飼育するということを念頭に、闇雲に新しいヘビを購入して、”全てのヘビのストレスが均等に「高い」状態" というような飼育環境は絶対に避けてほしいと、私個人的にはそう感じています。


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