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早く成長させようとすることのリスク

ヘビの生理活動でカロリー消費の割合が最も多いことはなんでしょうか。
厳密に調べてデータが手元にあるわけではないのですが、かなり多くのカロリーを消費することの一つが "摂餌" すなわち餌を食べることだと思います。

ヘビの器官を見ると極端に言えば、"1本の細長い消化器官" といってもいいくらいに消化器系が多くの割合を占めています。
これを考えると、消化器系にいかに負担を少なくするか、ということは飼育管理において大きなポイントとなることが理解できます。

ヘビの飼育の中において彼らの摂餌についての記録を見てみると、ネズミ類を与えると短期間で劇的に身体のサイズが大きくなることがわかります。
これは一見すると良いことのように思いますが、相対的に消化の良い餌で飼育した時と比較すると目に見えて加齢による体力の低下が早くなり、寿命も短くなる傾向があります。

人においても高カロリー、過栄養のものを食べていると色々な疾病が起きやすい傾向がありますが、特に運動不足の傾向が強い飼育下におけるヘビでは、餌のカロリー量や消化器系への負担について考えることは非常に重要です。

これは給餌以外の作業においても言えることですが、とにかく "(飼育管理者が)早く●●しようとしない"  "(ヘビに)早く●●させよう" としない、という心構えは飼育管理者において不可欠なことの1つだと言えるでしょう。
具体的には、早く(餌を)解凍しようとしない、早く餌を食べさせようとしない、早く環境に慣れさせようとしない、早く冬眠・覚醒させようとしないなどです。

ヘビの飼育においてはゲームや機械のように、ボタンを押すとすぐに反応する・結果が出ると思わないこと。まずはそれを頭に入れておくことが何よりも重要なことだと言えます。

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