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"餌を食べない時" の気の持ち方について

ご相談内容で最も多いことは "餌を食べないのだけれどどうしたらいいか" というものです。慣れないうちは特に、ヘビの餌の要求量がどれくらいかということについて、なかなか理解がしにくいものでしょう。
彼らは非常に少ないカロリー摂取量で運動を賄えるのですが、この点、人とはかなり違う代謝、生理現象のしくみを備えているということが理解できていないと、どうしても不安や心配は増大してゆきます。

食べなくても大丈夫、とわかっていてもなかなか不安は消えないのでしょう。ベテランの飼育者の方からも先のようなご相談を受けることは少なくありません。
こうした場合、 "何かしようとしてより状況を悪化させる" ということが往々にしてあります。
その最たるものは "強制給餌"、あるいは "アシスト給餌" といった、強制的な摂餌補助です。

個人的な印象としては、こうした無理な給餌をすることで健康状態やヘビとの信頼関係が良化したというケースはこれまでに "0%" です。ヘビからすると、こうした無理を強いられることはこの上なく恐ろしいこと、ストレスがかかることなのでしょう。
こうしたことをされるシチュエーション、それを自分に置き換えた場合にどうか。少し考えればわかるようにも思いますが。。。
 
こうしたヘビにとって "恐ろしい行い" をしてしまう背景には、飼育管理者が "なぜ食べないのか" "どうしたら食べるのか" という強迫観念にも近い不安に苛まれることが原因だと思います。

どんなに卓越した飼育管理者であろうと、何をしてもヘビが餌を食べない、その理由がわからないということも全くのゼロではないでしょう。食べたくない、というヘビの心理はそのヘビでなければ本当のところはわからないはずです。

こうした時に "そういうこともあるだろう" と考えて、少しヘビのことから頭を離すということも大切です。
例えていうなら、失恋した時などに想う人のことがずっと頭から離れない。そんな時には気分転換に趣味のことに没頭してみる、あるいは普段行かないような場所、以前から行ってみたかった場所に旅に出てみるなどということが効果的な場合があります。
そうではなくて、その人のことをずっと考えてしまうと、結果的には相手から "ストーカー" のように思われてより一層嫌われてしまうことにつながります。

ヘビに嫌われない、ヘビとの信頼関係を築くためには、餌を食べないときに "どうして食べないのか" という問題から一旦頭を離して、別の趣味に時間を使ってみるということが有効な場合があります。
そのためにも、複数の趣味を持つ、ということは重要なことかもしれません。

もちろん、永久にヘビを放ったらかしにすることなどできませんが、少し時間を空けると、ヘビが餌を求めて徘徊しているというようなことも往々にしてあるものです。
餌を食べない時にはヘビの様子を静かに観察しながら、ヘビと少しの時間、少しだけ距離を置くということが有効な場合もある、ということは頭に入れておくと良いかもしれません。

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