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ヘビの餌:⑫拒食についての考え方2

そろそろ暖かい日がポツポツと出てきましたが、まだこの時期だと餌を食べない個体も多いのではないかと思います。

以前に ”ヘビの餌:⑥拒食についての考え方|cobra_thief (note.com)” として、拒食が起こるしくみについての基本事項をご紹介しました。
今回は餌を食べない際の考え方、ヘビがいまどういう状況なのかを把握することの重要さについて考えてみたいと思います。

”なぜ食べないのか” ”どういうときに食べないか” については前回の記事でご紹介しましたが、"ヘビが餌に対してどう接しているか?" を把握することは拒食の原因を知るうえで非常に重要です。

食べない、という際の状況としては

1.まったく餌に近づいていない、興味すら示さない
2.一度は近づいてみたけれど食べるには至らない
3.嚥下までは行くが吐き戻す

これらのいずれかのケースが多いことと思います。

前回紹介した、原因のはっきりした拒食では "1" の全く近づかないか興味すら示さないというケースが多いようです。逆に言うと、このケースでなおかつ痩せたり明確な表皮・鱗の変色などがなければある意味では ”わかりやすい拒食” だと言えるかもしれません。 
*この場合で表皮や鱗の色やつやが非常に悪い、黒ずんでいるという場合には何らかの疾病の可能性が考えられますので、できるだけ早く信頼できる獣医師のいる動物病院で診察を受けた方がよいと考えられます。

次に "2" については餌の種類に問題があるというケースが多い。
食欲はあるけれど、”これは餌だと認識していない” というときにこうした行動をとることが少なくありません。

この場合の対策としては餌を変更するという方法以外に、同種でその餌を食べている個体を一時的に同じケージに納入し、”餌を食べている様子を拒食している個体に見せる” という方法が有効な場合があります。
それにより、拒食している個体が ”このヘビがこの餌を食べている、なるほどこれは餌なんだ。これは食べられるものなんだ” と認識してその餌を食べ始めるケースもあります。

”3” は餌のサイズ、あるいは冷凍餌の場合に解凍状態に問題があるというケースが多いようです。食欲はあって餌を食べようとしてはいるものの物理的に餌を食べられないという状態で、方法としては餌のサイズ、あるいは餌の状態を健全化してあげれば食べてくれることがほとんどです。

餌のサイズや解凍方法の参考は過去の記事「ヘビの餌:⑤ネズミ類の餌やり|cobra_thief (note.com)」(こちらはネズミ類ですがそのほかの餌でも同様のサイズ判断、解凍方法が応用できます)を参考にしていただくとよいでしょう。


ヘビが餌に近づいたのかどうか、という点については、摂餌のタイミングを見計らって静かにケージ内を観察するという方法のほか、床材に土や枯葉を使用している場合には餌に使用したトレー(あるいは皿など)の状態でも判断できることがあります。

すなわち、周囲の枯葉や土がトレーなどを汚しているかどうか、餌が動いているかどうかなどによってヘビが餌の周辺で動き回ったかどうかの目安の1つになるでしょう。
*餌を設置した際にの餌の様子をカメラで撮影しておくなどすると、ヘビの餌に対する行動を把握できることがあります。

拒食は多くの飼育管理者が必ず一度は経験するもので、重篤な健康障害へと発展しないケースも少なくありませんが、”なぜ食べないのか” と同時に "何が起きているのか、ヘビの餌に対する行動" を把握することが拒食対策に有効な場合があります。
まずは拒食時の ”状況の把握" ができれば飼育管理者の気持ちとしてもだいぶ楽になることと思います。

よろしければ参考にしてみてください。

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