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ヘビの餌:ボア、ニシキヘビの餌

"ヘビ" と一口に言っても、それぞれでかなり生態が異なるものも少なくありません。
その顕著なものは、ナミヘビとボアやニシキヘビの仲間でしょう。これらは同じヘビでも生態、餌の嗜好そして日々の運動量や運動の様子がかなり異なります。
*一方で、ナミヘビの一部の種とコブラの仲間ではかなり生態が似通ったものもいます。

餌の嗜好においても、両者(ナミヘビとボアやニシキヘビ)ではかなり異なります。これらのヘビについては、ほとんど ”別の動物” と言ってもいいくらいの大きな生態の差があります。

先にナミヘビの餌として様々なものをご紹介しましたが、ボアやニシキヘビでは餌の嗜好の幅は狭く、”動物性の餌なら何でも食べる” というような個体はほとんどいません。

したがって彼らの嗜好に合わせ、特有の餌を用意する必要があります。
ただし、特に成蛇においては給餌スパンを長く取れることなどを考えると、給餌の手間そのものはナミヘビ類と比べると楽だといえるでしょう。

これらのヘビの幼蛇には、養鶏用に販売されているニワトリのヒナが一番適しています。
少しかわいそうですが、購入・到着後できるだけ速やかに冷凍庫に入れて保存し、給餌のタイミングで解凍して与えます。

孵化から1年程度まではこのニワトリのヒナで育て(この間、ヘビの成長とともに餌の種類を変えるのではなく数を増やして対応する)、十分なサイズに成長したところで、より大きな鳥類や哺乳類(ブロック肉含む)などに餌を切り替えます。

以下、ボアやニシキヘビの餌として適したものをリストアップします。

ハト
キジ
ウサギ
リス(ジビエの店などで手に入るようなら)
シカ(スネやシンタマのブロック。脂身が多い場合は削いで与える)
イノシシ(ヒレのブロック。脂身が多い場合は削いで与える)
七面鳥
ホロホロ鳥
ニワトリ

などです。
”丸” の状態で与えるものは止むを得ませんが、ブロック肉を与える場合には一度に大きな塊で与えるのではなく、適度な大きさに切って飲み込みやすく、消化しやすい状態で与えるのが良いでしょう。

いずれも単価は決して安くないものも多いですが、ボアやニシキヘビは幼蛇であっても2週間に1度、成蛇では1カ月に1度以上は餌を与えない方がいいことを考えると長期的に見ればそれほどコストパフォーマンスの悪い餌とも言えません。

これらのヘビでは身体の大きくなる種も少なくなく、飼育には巨大なケージが必要ですが、それでも個人宅では限界があります。
それにともない運動量は自然下と比してどうしても少なくなる傾向になります。その結果、カロリー消費量は理想よりも少なくなりますので、餌のやりすぎには十分に注意が必要です。

ボアやニシキヘビにおいては ”拒食が起きた” という話しもしばしば聞きますが、その多くは単純にケージの小ささからくる運動不足で餌を必要としていない、というケースです。
これらの巨大なヘビは、あくまで一般家庭で飼育できるタイプの種ではない。そのなかでも無理に飼育しているのだ、という意識の元に、給餌についてもとにかくやりすぎに注意、というのが一番のポイントになります。




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