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部屋とケージの清掃管理

ヘビの飼育におけるケージと部屋の清掃管理。
意外にこれらについての情報が、あまり一般に流布されていないように思います。

”清潔に保ちましょう” というのは確かにそうなのですが、では具体的にどこをどうすればよいのか。きちんと解説した記事がほとんど見受けられないのは残念です。

ときには”誤った清掃” によって飼育個体にストレスを与えるということもあります。いくつかのポイントを押さえれば、ヘビの清掃管理は面倒ではありませんので、以下にご紹介しましょう。

空気、水、土の清掃

まず、清掃の頻度についてですが、これはもちろん毎日行う必要はありません。目安としては概ね1週間から2週間に1度、きちんと時間を取れる(余裕をもって1時間から1時間半程度)時に行います。
あまり頻繁に行うことはヘビのストレスの元となりますので、これ以上のペースで清掃することはむしろ避けた方がよいでしょう。

清掃については3つのカテゴリーに分けて考えます。すなわち1空気、2水、そして3土(床材)です。

空気の清掃

空気の清掃については主に換気が中心になります。
窓を開き、飼育している部屋の中を空気が通り抜けられる道を作ります。定期的に清掃を行っていればほとんど考えられないことですが、もし排泄物などの匂いがこもっている場合でもこれによってほぼ匂いを消すことができるでしょう。

窓の開放時間は気温の極端に低い、 あるいは高い時期でも最低10分以上、それ以外の温暖な時期では30分程度は開放します。
この時、ケージの蓋は必ず閉めておくこと。万が一の脱走事故が起きた時でも、部屋の外にさえ逃げ出さなければ捕まえるのは難しくない一方で、屋外へと脱走してしまうと捕獲は途端に困難になります。

部屋の空気を入れ替えた後に、すべての窓を完全に閉め、今度はケージの蓋を開放します。
この時はすべての窓を完全に閉じておくことは言うまでもありません。

なお部屋内、そしてケージ内の空気を動かすことで温度や湿度に若干の動きがありますが、元の状態へと戻せば再び安定した数値に戻り、ヘビへの影響はまったくありません。

水の清掃

次に ”水の清掃” についてです。
水の管理は先にもご紹介しておりますが(ヘビが使う水の管理|cobra_thief (note.com))、基本的には1-2週間に1度の換水で問題はありません。
ただし、先にも記したように水の中で排泄している、床材に使用している枯葉の色素が染み出している、というような場合には気が付いた時点でウォータープールに使っている容器を取り出し、清掃する必要があります。
それ以外の場合の換水は、おおむね1週間から2週間のペースでよいでしょう。

見た目にきれいな水をヘビが好む、というわけではありませんので、土や枯葉などがウォータープールの中に沈殿、あるいは浮遊していても問題はありません。
むしろ頻繁な換水はその際に起こる震動、物音などがヘビに強いストレス負荷となる可能性がありますので避ける必要があります。

土の清掃

土、すなわち床材の清掃は空気や水と比べるとさらに頻度は少なくて問題ありません。
概ね半年に1度、あるいはケージの仕様や土の状態が健全に保たれているようなら1年に1度程度でも問題ありません。(飼育開始から期間が長い:土を入れてから長く経過している方が、地中環境は安定する傾向があります)

先にも記しましたが(床材に使う "土の育て方"|cobra_thief (note.com))、土はすべて入れ替えず、概ね1/3程度の量を目安とします。
残り2/3にヘビが滞在するように土を取り出し、天日干しをして土の ”オーバーホール” をすることで古い土は再利用できるようになります。

なお2/3の ”入れ替えない土” についても、ヘビのストレスにならないように注意しつつ攪拌することで地中に空気を取り込み、地中環境の良化を促すことができます。

また、指で触ってみて乾きすぎている場合には、水で濡らした枯葉を地表付近に厚めに敷きます。
逆に地中の湿気が高すぎる場合には攪拌ののち、ストックしてあれば乾いた土を、なければその時には新しい土を購入して地中に加え、地中湿度の調整をはかります。
*土は指先でこすって若干湿る程度の、どちらかというと乾き気味の状態の方が良い傾向があります。

飼育している部屋の清掃としては他に、床材がこぼれていたりしたら掃き掃除をする、ぬれ雑巾・乾いた布巾で床を拭くなどが必要です。


爬虫類、とりわけヘビの飼育においては、清掃が行き届いていれば部屋に全く匂いがないという状態を作り出すことも決して難しいことではありません。
適度な頻度での清掃をルーティーン化し、飼育動物が過剰にストレスを感じない、かつ健康に障害とならないような清潔・健全な環境構築に努めるようにしましょう。

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