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ヘビの餌:雑食性のナミヘビ類の餌

ヘビの餌として、具体的にどんなものが適しているのか。
それについて少しずつご紹介してゆこうと思います。

現在、多くの方がヘビに与えている餌はマウスやラットなどのネズミだと思います。
しかしこうしたげっ歯類はサイズを問わず、非常に消化の悪い餌です。
また、養殖されたネズミは脂肪が多いことから、脂肪肝や肥満などの健康異常を起こすリスクもあります。

ヘビ、特にナミヘビの中でも地上徘徊生の種(飼育種として最も人気のあるヘビの1つであるコーンスネークや国内産のシマヘビ、アオダイショウやマダラヘビ属など)はかなり食性の幅が広いという特徴があります。彼らは、動物性の餌であれば選り好みせずにいろいろと食べてくれることが少なくありません。

したがって栄養価のバランスを考えた上で、ネズミ類だけでなく魚や肉、貝類などをブレンドもしくはローテーションして与えることがよいと考えられます。

食品の栄養素は、文科省が公開している "食品成分データベース" が参考になります。(https://fooddb.mext.go.jp
ここで紹介されている数値を踏まえ、カルシウム(およびその吸収と関係しているビタミンD, マグネシウム, リンなど)、その他の各種ビタミン類などのバランスを考えた餌のメニューを組むようにします。

またもちろん嗜好性も大切で、食べてくれなければどうしようもありません。
これらを鑑みた上でヘビの餌として有効なものには、

【魚や貝】
★サケ(生サケ)
サバ
イワシ
★アジ
イカ(イカ刺し)
★シジミ
★アサリ
カキ(生カキ)
エビ(殻付き)

【肉類】
★ヒツジ(ラムモモ)
★ブタレバー
鶏レバー
★ブタハツ
シカ
牛ランプ
牛モモ(できるだけ脂肪がついていないもの)
スッポン
*★は定期的にローテーションに入れたい "栄養価、コストパフォーマンス" の特に優れた餌。

などが考えられます。

それぞれを食べやすいサイズに刻んでミンチ状にし、栄養バランスを考えながらブレンドして与えることでヘビの健全な生育・成長を促すことができます。

いずれの餌もほとんどのヘビにおいて、孵化間もないサイズから高齢の個体まで嗜好性が高いので使い勝手がよい餌だと言えます。

なお、これらに加えドジョウは特異的にカルシウムの量、およびリンとの含有量のバランスが非常に優れていますので、必ずローテーションに入れたい餌の1つです。
できれば活ドジョウを購入し、塩でぬめりを落としたうえで冷凍保存するのがよいでしょう。解体しても食べてくれるヘビも多く、非常に優れた餌の1つだと言えます。

また、(あまりお勧めはできませんが)どうしてもネズミ類を食べさせたい、という場合にもこれらのブレンドにネズミを混ぜておくことで楽に誘導することもできます。

この ”ブレンド餌” であれば2~3週間ごとの給餌でも十分なカロリー量を賄えますし、ラップでくるんで外気に触れにくくし、(餌の)専用の冷凍庫に保存しておけば最大2カ月程度は問題なく使用できますので、コストパフォーマンスも優れた餌だといえるでしょう。

ちなみにこれらの餌においても購入元は慎重に選択した方がよいでしょう。
近隣のスーパーマーケットのほかオンラインでも購入ができるものが多いですが、飼養環境を販売者のウェブサイトなど確認したうえ、必要に応じて餌に何を与えて居るのかなどを電話やメールなどで問い合わせることが必要な場合もあります。

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