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ヘビの餌:”餌の餌” を考える重要性

"ヘビに与える餌" をどこで購入、あるいは入手するか。
これは非常に重要なポイントです。

自分の食事であっても産地や農法、製法について知りたいと考えることは少なくありませんが、大切なパートナーであるヘビに与えるものにしても ”よくわからない” 餌では不安が伴います。

何よりも一番不安の無い方法は、餌動物を "自家生産" することです。
餌が外温性動物の場合には特に、"自分で選んだ餌" を餌動物に与えることによって、健康障害が起こる可能性はかなり減らすことができます。
*これまでに主な餌動物の飼育管理についての記事を記してきましたので、それぞれご参照ください。

一方、ネズミ類などの内温性動物の場合には、"自家生産" が健全なヘビの飼育にマイナスの影響を及ぼすことが少なくありません。

具体的には、彼らの飼育において ”匂い” を完全に消すことが難しいこと。これが、ヘビの飼育の中における ”異常の察知” を妨害する可能性が高いということです。

餌動物を食べずに残している、糞をした、あるいは考えたくはないですが飼育個体が死んでしまった。。。
これらの ”異常" を知るためのカギとして ”匂い” の情報はとても重要で、普段から飼育している部屋を清潔に、匂いの無い状態としておくことは直接的な飼育個体の健康保持以外にも、とても大切な意味をもっています。

これを考えると、ネズミ類の場合にはどこからか ”購入” してヘビに与えた方がよいと考えられます。
その際、重要となるのは餌として与えるネズミに販売業者が "どんな餌を与えているか” です。

購入した(冷凍・活とも)ネズミ類が著しい肥満状態となっているケースが多い、ということは以前にもご紹介しましたが(ヘビの餌:ネズミ類の餌やり|cobra_thief (note.com))、たとえこうした状態ではなくても、餌に何を与えているのかについては販売業者に確認をしたいところです。

これまでにいろいろなご相談を受けた中で、拒食や排せつ障害(およびそれに伴う脱腸等の消化器障害)のうち、多くの事例で "餌に問題があること" が原因となっていました。

なかにはケミカルな配合飼料(カメや観賞魚用の配合飼料)をヘビ(ガーターヘビなど自然下で主に魚類を食べるヘビなど)に与えていた、などというまるで論外の事例もありますが、意外に ”餌の餌” についての関心が薄い飼育管理者は多い印象です。

餌動物(冷凍)が見るからに酷い状態(ネズミ類であれば毛が油じみている、毛が ”けば立っている" 、皮膚が黒ずんで異臭がするなど。冷凍ヤモリなどではミイラ化した状態で締めてから明らかに時間が経過している状態など)の場合にはまだわかりやすいと言えます。

しかし、一見してわかりにくい餌動物の状態の場合こそ、隠れた ”罠” が潜んでいる可能性があり、餌の餌に不適切なものを与えていることから起こる様々な健康障害は、獣医師の診察でもわかりにくいケースが多いようです。
*死んでしまったあとから1つ1つ疑問点を確認して、結果的に餌の餌に問題があったようだ、というケースもあります。

原因不明の健康障害、その延長にある "死" という可能性を解消するために、"餌の餌" に関心をもつことの重要性を心にとどめておいていただきたいと思います。

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