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ヘビの餌:餌動物を "サプリメント" に利用する

動物性の餌しか食べることのできないヘビ。
そのため、特に与えられる餌の種類に限りがある飼育下においては必然的に摂取する栄養価の偏るリスクがあります。
特に高齢化した個体では必要な栄養素を十分補給できずに疾病の発症、老化の進行などの心配があります。

そこで不足した栄養素の補給のため、餌に必要な栄養素を摂取させた上でヘビに与えるという "サプリメント" という考え方が有効なケースがあります。
"餌の餌" についての記事でも少しご紹介しましたが、具体的にはミミズやトカゲ類、あるいは水生のヘビではドジョウなどに栄養価の高い餌を与え、その上でヘビに食べさせるという給餌管理の方法です。

特に休眠明けのヘビや産卵前、妊娠中、あるいは脱皮の前後など、普段より体力が落ちている時期には特にこうした方法が効果的です。

雑食性のヘビの場合には、さまざまな動物性の餌を食べてくれることが多いですが、さりとて植物性の餌となると食べるヘビはさすがにおりません。
そこでミミズをヘビに与える、あるいはコオロギにバナナやカボチャ、サツマイモなどの野菜類を与え、そのコオロギをトカゲ類に与えた上でさらにヘビに餌として与えるなどという2段階、3段階のステップを踏んでヘビに間接給餌を行うという方法が考えられます。

他に多くのヘビが好む "餌用に適したヘビ" であるブラーミニメクラヘビの餌、ヤマトシロアリも間接給餌に適した餌に1つです。
彼らは木材を好みますが、こうした木材はセルロースを多く含みますので、ヘビの整腸作用が期待できます。
また、ご存知の方も多いと思いますが、シロアリはアリではなくゴキブリの仲間で栄養価が高いこともよく知られています。

シロアリの場合には特にマツの仲間(アカマツやクロマツ、ハイマツなど)を好みますので、これらを与えて育てたシロアリをブラーミニメクラヘビに与え、そのブラーミニメクラヘビを雑食性のヘビに与えるという間接給餌が有効です。
*シロアリが最も好む餌は "コーヒーのフィルター" ですが、これでは残念ながらヘビへの栄養負荷は期待できません。。。。。。


今日はヘビの餌の餌、に関連して "サプリメント" として利用できる餌動物についてご紹介しました。
ヘビの餌を考えると同時に、餌動物の餌をも考える。それによって、間接的な栄養負荷を期待する。これもまた想像力が活きる給餌管理の1つで、うまくハマった時の喜びはひとしおです。
記事ではほんの一部をご紹介したに過ぎませんが、皆様もぜひ色々と試してみていただけたらと存じます。

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