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ヘビの餌:年齢により餌を変えることの重要性

当たり前、と言えばまったくその通りなのですが、生まれてから死んでしまうまで同じ種類の餌、同じ量の餌、そして同じ給餌間隔でヘビを飼育するということはできません。

哺 "乳" 類の場合はその文字通り、生まれてからしばらくお母さんの "お乳を飲んで" お腹を満たします。
人においてはその後、 "お食い初め" を経て(生後100日の儀式ですから、お食い初めの時点では実際にはまだものを食べるということはできないケースも多いようですが)、食物を食べられるようになる。
さらに20代、30代……そして高齢者に至るまで、"適切な食べ物" には変化が生じます。

例えばおじいちゃん、おばあちゃんになってからはカツ丼とカレーライス、それにデザートも、などという胃腸にガッツリの "フルコース"はしんどくなることでしょう。
"年齢とともに食べるものや量、給餌間隔を変えることが重要である" というのは、ヘビにおいても全く同じなのです。

ヘビの給餌に関して生涯において最も重要なのは成長期、すなわち産まれてから1-2年の頃です。
この時期にきちんとした栄養を摂取できないと、その後にさまざまな健康障害が起こるケースが多いようです。したがって、この時期には栄養価の高い餌を、少しやりすぎくらいの量・ペースでお腹いっぱい与えても問題ありません。

脂肪が多く、"カロリーの塊" のような市販のネズミ類も(サイズによっては解体するなどして)、この時期に与える餌としては問題ない、と思います。
ネズミを与えることが問題となるのはある程度成長しきってから(生後2-3年頃から)、あるいは高齢化してからの餌の種類や量、給餌間隔です。

代謝、そしてフィジカル面の成長がある程度安定してからも、孵化間もない頃と同様の餌、量、給餌間隔で給餌していると肥満、脂肪肝あるいは消化器系障害が生じて寿命が短くなる傾向があります。

とはいえ、こうした頃になって慌てて餌の嗜好を消化の良い餌にリードしようとしても、なかなか食べてくれるものではありません。
だからこそ、孵化後間もないうちから色々な餌を与えておき、消化の良い餌も問題なく食べるようにする。これが "ヘビの給餌管理" の基本です。

ただ餌を与えているだけでは、それはもはや "管理" とは言えないのではないか。個人的にはそんな風に感じます。

ヘビの身体、健康、そして健全な生涯を作る基本となる "餌"。その餌はただただルーティーンで漫然と与えるのではなく、ヘビの年齢や健康状態を見ながら、適宜変化をつけてゆくことがとても重要なのです。

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