見出し画像

"飼育情報" "生体(生態)情報"の入手先

飼育管理の参考となる情報をどこから入手するか。
まさにその ”飼育管理の情報” に関する記事を記している中で、このようなことをご紹介するのも少しおかしいように思いますが、もちろんこれは非常に大事なことです。

誤った情報を信じて、それを続けてしまったために取り返しのつかない事態が起きてしまった。あるいは疾病が重篤化したというケースはしばしば見られるものです。

究極的な正解としては ”自分で経験してみるしかない” "自分で経験したことしか信じない" ということになるのでしょうが、最初から経験がある人などはいませんし、飼育開始前、あるいは飼育後間もないという場合にはこれは現実的ではありません。

多くのケースでは生体を購入するお店のスタッフ、あるいは書籍などの情報を参考に飼育するものと思います。
かくいう私もそうでした。
しかし、その言葉や情報を鵜呑みにした結果、さまざまな問題が生じ、時には飼育している生体が早逝してしまうということも起きました。

そこで自ら考えて工夫してみた結果、より良い方法を取得できたという次第です。
これは何も私の "うまくいった経験" をひけらかしているわけではなく、情報はよくよく精査する必要がある、ということをお伝えしたいというまでです。

もちろん、私の発信している情報は ”私の経験に基づいたもの” ですが、それも読者の方が精査して、”これは違う” と思えば別の方法を試していただいたほうがよいと思います。

さて、記事のタイトルから少し外れてしまいましたが、元に戻して ”どこから情報を取得するか” ということにスポットを当ててみましょう。

国内種はフィールドで空気・土・水・餌の情報を

国内種であれば、できるだけフィールドを探索して情報を集めることをお勧めします。
当該種が生息していると思われる場所を探索し、土や地面の情報(植生や土の湿度)、空気の情報(温度や湿度)、 水の情報(ヘビがどのような水場に頼っているか)、そして餌の情報(どんな餌を食べているのか)などを知ることは、飼育においても一番の参考になることでしょう。

海外の情報はSNSのコミュニティを利用

一方で海外の原産種の場合は、以前にご紹介した図鑑から情報を得る(【コラム】図鑑から得られるもの|cobra_thief (note.com))、ということのほかに、海外のコミュニティに飛び込んでゆくという方法があります。

たとえばFacebookなどでは、かなり特殊な種であっても飼育している人たちのコミュニティが作られていたりします。
*例えばかなり特殊なコミュニティとしては ”世界のサンゴヘビ” というものもあります。そこではサンゴヘビ(Micrurus)の飼育情報を詳しく紹介している人もいます。

そうしたコミュニティに参加して、質問をしてみると非常にリアルかつ有益な情報を得られることが少なくありません。
ペットスネークとしてメジャーなコーンスネークやガーターヘビなどは、多くのコミュニティが作られていますし、リアルのコミュニティもあって(日本からリアルで参加するのは少し難しいですが)、盛んに情報交換がなされています。

日本国内にも同じようなコミュニティはあるようですが、(私も以前に参加したことがありますが)情報の交換の場というよりはただの "飲み会の場” という感じで、飼育に有益な情報が得られることはありません。
一方でオンラインであっても海外のコミュニティではリアルな飼育情報を聞けるので、大変参考になります。
*たとえば欧州のガーターヘビのコミュニティなどは子どもからお年寄りまでが参加して、ヘビについての情報交換はもちろん "情報そのものの生成・育成(最新情報は日々変わるものです)” や "ヘビを飼育する環境の育成(ヘビ、およびヘビの飼育に対する世間の誤解を解くための取り組み)" に努めているようすがわかります。

あるいは英語ができないから難しい、とお考えの方もいるかもしれません。しかし、オンラインのgoogle翻訳や各種の翻訳ソフトでの会話でも十分に通じることがあります。

僭越ながら申しますと、私は日常会話レベルの英語であれば問題なく理解できますが、試しにgoogle 翻訳で打ち込んだ内容を ”そのまま” 使って会話をしてみた際、問題なくコミュニケーションができました(打ち込んだ内容をある程度確認して、おかしいところは直す配慮があるとさらに良いですが)。

もし通じない箇所があっても、多くの場合で ”ここがわからないから教えてほしい” と聞いてくれますので、心配することはありません。まずは飛び込んでいくことが何より大切です。

生の情報が動画で得られる海外の動画発信者の情報

もう一つ、情報の取得先として有効なのはyoutubeなどの動画サイトです。国内の爬虫類関係のyoutuberの番組は、申し訳ありませんが飼育に活かせる情報などはまったくなく、ただの "トンデモ" な内容で爬虫類に対する愛情もなにもあったものではありませんが、海外の発信者のそれは全く違います。

例えばオーストラリアの写真家である(この "写真家" というのは機材を持っているだけの ”擬似” 写真家ではなく、写真そのもののクオリティも素晴らしいものがあります)ロス・マクギボンさんのこちらの番組は現地でのヘビの様子などを詳しく紹介するなど、大変参考になります。
(3) Ross McGibbon Reptile Photography - YouTube

もちろんこれらは英語による解説であり、文字と違ってgoogle翻訳に打ち込むというわけにはいきませんので "聞き取り:ヒアリング" の能力が必要で、ある程度の英語力は必要です。
しかし、長いものは30分程度あるにせよ、多くは5分以内のショートムービーなので、聞き取りながら文字に起こして翻訳サイトに打ち込むという方法もあるでしょう。
何よりこれらのことを続けていると、自然に英語力が身についていくというメリットもあります。


ここまで、飼育管理の情報を得るための入手先について、いくつかのご提案をしてまいりました。
一度誤った情報を ”飼育情報の引き出し” にインプットしてしまうと、それが正しいと思い込んで、なかなかシフトチェンジすることは難しいかもしれません。

まず申し上げたいのは、おそらくショップのスタッフや書籍の著者は、自分ではヘビを飼育していないか、もしくは飼育していても持っている情報はお客とほとんど変わらない、決してエキスパートではない場合が少なくないということです。
その情報を鵜呑みにして飼育することの危険性。これを頭に入れておくことが重要だと言えます。

そのうえで自らの手で、あるいは足で情報を探し、得ること。それが飼育個体に健康に、長生きしてもらうために何よりも大切なことだと言えるように思います。

この記事が参加している募集

ペットとの暮らし

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?