見出し画像

【コラム】脱走したヘビの捕獲法

あってはならないことですがケージに不備があったり、気を抜くなどした際にヘビが脱走することがあります。
脱走によって家族や周辺に住む人の人心を惑わすというだけでなく、脱走したヘビが殺されてしまうこともありますので絶対に注意し、避けるべきことの1つだと言えます。

ケージの仕様、およびケージ内の環境に不備がなければ(快適なケージ内環境を構築できればヘビはそこから逃げ出そうとしないことも少なくありません)、脱走などということはまず考えられません。
しかし、飼育管理者にはそれぞれいろいろな事情がありますし、ときに脱走してしまうということが全くない、というわけではありません。

飼育している部屋から屋外へ脱走してしまうと、捕獲することは限りなく困難になります。
しかし、ヘビが部屋から出ていなければ、ほとんどの場合、ちょっとしたトラップを仕掛けることで捕獲することは難しくありません。
*餌を使ったトラップですので、気温の低い時期や、まだ餌付いていない購入して間もない個体の場合にはトラップにかかるまでに時間を要することがあります。

以下にヘビの "捕獲トラップ" についてご紹介しましょう。
私はケージを現在のカスタムケージとしてからは脱走したことは一度もありませんが、飼育を始めたころ、市販のケージを使用していたときには何度か脱走をされたことがありました。
しかし、いずれの個体もこのトラップで100%捕獲できましたので、効果は抜群だと思います。

まずタッパーや小さな皿(ナミヘビ)、バケツやタライ(ボアやニシキヘビ)などに普段与えている餌を、普段より多めに乗せます(あるいは置きます)。
なるべくタッパーや皿、バケツやタライの "中央付近(端の方ではなく真ん中あたり。バケツの場合は上に盛り上がらないように大きめのものを使うか、バケツの底の方に餌が止まるようにする)" に餌を集めるようにした方が、捕獲の効率がよりよくなるように思います。

この餌トラップにつかう容器(タッパーなど)は円形でもよいですが、四角形の方がこの後にご紹介する ”ヘビの捕獲部分” が設置しやすくなります。

さて、以上の餌ケースを部屋のできるだけ広め、周りにあまり物のないような場所に複数個所設置します。数は最低でも3-4カ所設置した方がよいでしょう。

この餌トラップの周囲に粘着力の強い布製ガムテープや粘着テープを、”粘着面が上にくるように” リング状にして貼り付けます。皿やタッパーが四角形の方がいいのは、このテープをすき間なく貼り付けやすいためですが、円形であっても一応用途は果たしてくれるでしょう。

粘着テープを貼り付ける ”(餌の容器から外側に向けた)幅” はヘビのサイズ・年齢にもよりますが、ナミヘビであれば概ね10㎝~15㎝程度、ボアやニシキヘビであれば20~30㎝程度の幅とするとヘビがトラップにかかりやすいようです。
この ”幅” は意外に重要なポイントで、狭すぎるとパワーでヘビがテープからはがれてしまいますし、広すぎるとヘビが警戒してかからないことがあります。

この餌トラップを数日仕掛けておくと、ヘビがかかっていることが少なくありません。
なお、餌の種類や時期(暑い時期には餌が腐敗しやすい)によっては、1日おきにトラップの餌を新しいものと変える必要があります。
多くのケースで夜間の人が寝静まった時間か、日中に部屋あるいは住居に誰もいない時間にヘビが餌を求めて現れ、餌トラップの周囲の粘着部分にくっついて身動きが取れなくなっています。

粘着テープをはがす際にはもちろん慎重に行う必要がありますが、ヘビのウロコや表皮はやわらかいもののそれほどヤワではありませんので、粘着テープをはがしたくらいではビクともしない場合がほとんどです。
*少なくとも私のうちではそれによってヘビの皮膚が傷ついたり、肉が削げたりなどということは一度もありません。

ケージから逃げだしたヘビが部屋の中にまだいる、もしくはいる可能性があるという場合には、このトラップが抜群の効果を発揮しますので、よろしければお試しになってみてください。

この記事が参加している募集

#ペットとの暮らし

18,517件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?