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セールスで成功するオペレーターの秘密

カリスマ営業はいらない

セールスの世界では、20%の営業担当者が売り上げの80%を上げており、さらにその20%がその80%をあげるなどと、「カリスマ営業」の存在やその行動が注目されてきた。そのメソッドは本になったりしてはいるものの、まねるのはかなり大変だったり、だれでもができる話ではなかった。

コールセンターにおける営業はどうかというと、実はかなりシステマティックに実施されているし、商品のアップグレードや追加商品の販売、適時のフォローアップによるエンゲージメント強化(たとえば車検切れ前にタイミングよく電話をするなど)など、商品やサービスによっては電話によるセールスは今でも有効だ。

ただし、土日に家にいるとかかってくる、インターネット回線に対する動画サービスの追加のセールス、投機型ワンルームマンションのセールス、電気とガスの口座一本化など、一方的に電話をかけてくるアウトバウンド・セールスの電話には辟易することが多い。

チームとしての合理的な取り組み

コールセンターのセールスには、プロ営業のカリスマ的パワーよりも、チームや組織としてのシステマティックな取り組みが有効である。どのような場合に何をおすすめしたらよいのかというプラン設計や、電話をかけるなら何時くらいの時間帯が有効なのかということは基本的戦略だ。インターネット回線セールスで、平日の昼間にコールセンターから電話をかけたとしても、インターネットやPCのことがよくわかる息子夫婦は家にいない。その親御さんに電話がつながったとしても、「わからないから、またかけなおしてね」といわれるのがオチである。

どのようにおすすめをするのかというシナリオも重要なのだが、杓子定規に台本通りにすすめようとしてもそうはいかない。しかも突然電話をかけてこられたお客様の都合はお構いなしに、お客様の声にかぶせてでも、まずは台本通りに話そうとしても逆効果だ。

オペレーターが電話をかけたり、かかってきた電話でおすすめを追加したりすることにも、オペレーターの人件費が発生する。だから、セールス計画、より効果的な方法や台本(スクリプト)の継続的な改善を、組織レベルでチームワークを駆使して取り組まなくてはならない。まず、ここがプロ営業マンの時代とは違うのだ。

それでも売上の上がらない理由とは

しかし、それでもなおオペレーター毎の実績の差が生じる。

今まで何度も、「コールセンターでもっと売上を向上させたい」という相談を受けてコンサルティングをしてきた。

コンサルティングの初期の課題となるのは、前述のような組織プレイの改善であるのはいうまでもない。そして必ず実施するのが、オペレーターの活動のモニタリング(実際に電話を聞いてみること)だ。

その会社の商品をすでに購入していて、プロモーションしたい商品は未購入、さらに会社に対する印象もわるくないとシステム的に判断がでた場合に、商品Aをお勧めするというルールがあったとする。

さらに、おすすめしたら成功率が高いという条件が満たされていて、かつそれまでの電話対応の流れから言ってセールスするのが自然、というような顧客がいたとする。

おどろくことに、そんな顧客に電話をしているのに、実際にはなにもアクションをとらずに電話を終了してしまっているケースがものすごく多いのだ。
あたかも戦闘機で爆撃に行って、千載一遇のチャンスなのに付近を周回して基地に帰還してしまうようなものだ。

セールス=打席数に比例する

どんなに打率のよいバッターでも、打席に立たなければ実績を残すことはできない。まず失敗を恐れず行動することが大切なのだ。断られてもともとの心意気、そして成功するまでやるということ、この2点があれば、実績を上げることができる。

前にコールセンターの同僚にSさんという人がいた。彼自身なかなかにイケメンだったという条件はあるのだが、コンビニで立ち読みをしているかわいい女の子がいたら必ず声をかける。いつどんな時でも好みの子がいたら声をかける。一度、Sさんになぜそんなふうに、いつも声をかけるのか聞いたことがある。「だって、声をかけたらもちろん断られることもたくさんあるけど、一定の割合で話もできるし、その先もあるんですよ!だったら声をかけないほうが損じゃないですか。」と言われたのが忘れられない。なるほど、と思った。ちなみに彼は、現在ではよい家庭人で良いパパであるが、当時のそのプラクティカル(実践的・実利的)な考え方はなんにでも応用できると思った。 ちなみにSさんだからといって、私のことではない。

お客様の気持ちや考えていることに寄り添う

お客様に商品やサービスをお勧めし、購入の決断をしていただくときには、一方的に話をするだけでは成果が上がらないどころか、強引だったなどと苦情になることもありうる。お客様の感情の変化を読み取り、そしてお客様を慮りつつ、決断に導く、感情の察知能力と冷静な説明力が必要だ。この辺はもちろん個人差があるが、トレーニングで強化できる。

なぜか売上があがるオペレーターがいる。その技を組織的に盗もう。漠然とみていたらわからないが、書いてきたように原則がある。
絶対にゆるがない気持ち。断られてもともとの心意気。成功するまでやる。断られてもへこたれない。そして、感情の変化を読み取る力。別にカリスマ営業マンである必要はない。これらは、オペレーターだけじゃなくどんな仕事をするにしても重要なことだ。 

まとめ

・売上のあがるオペレーター。べつにカリスマ営業になる必要はない。
・断られてもともと。成功するまでへこたれず、チームワークで前に進もう
・お客様の感情の変化に敏感に、そしてお客様にとってのメリットを語ろう。

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