カジュアルに作るカッコ良さについて

スマホ一つで音楽作るの、カッコいいと思う。
同様に808や303とMTRだけで作るのも、ベースやギターとラップトップPCだけで作るのもカッコいい。

何故かっこいいのか。
それは、それの扱いを熟知していて、その熟練の技術がオリジナリティとなっているから。

スマホや、808とかMTR、ベースやギターだって、音を出す、特定のありきたりなリズムやコードを鳴らすという事は容易いが、どんなものだって、その先がとても難しい。
それで音楽を完成させるのも難しいし、それらを熟知して、使いこなすとなると、相当に難しい。

そう難しいのであれば、別にカジュアルじゃねぇじゃんって話なんだが、熟練しているからこそ、寝ながらスマホで作曲とかしたり、地べたで909とシンセをミキサーに繋いでJamしたりという、場所を選ばないというタイプのカジュアルさが発生する。

そういうカジュアルさを持った音楽というのは、そもそも音数が多く無いのに、その楽曲を理解出来た時の満足感は半端じゃ無いのが特徴かなと思う。

正直、カジュアル故のミニマリズムも、行き過ぎれば退屈であり、物足りなく感じる事もある。
それに、その機材の事を知ってないと分からないという、オリジナリティの分かりづらさもあると思う。

だからこそ、作る側は聞かれる事を常に想定していて、聴く側は知る事を強いられる。
そういう事が煩わしい人の為にカジュアルでは無い、企業が企画して作られた納品物というものがあると自分は思う。

企業製品は関わっている人がたくさん居ると思う。多分。
企画する人、作曲する人、作詞する人、編曲する人、スタジオでレコーディングして、ミックスマスタリングして、それぞれのエンジニアがいて。
もっと色々統合してやってたりするのかもしれないけど。
業界の人間じゃないので正しいかどうかは分かりません。

とにかく、企業製品というのは企画通りに、言われた通りに作んないといけないので、カジュアルではいけないと思う。
カジュアルに音楽を作るって事は、そこら辺の目指す所がある程度決まってても良いし、決まってなくても良いじゃんって感じなので、そういう意味で、カジュアルな音楽と、企業製品は対極にあると思う。

企業製品は、当たり前だけど凄い。凄くないとむしろダメ。
だからと言って、カジュアルな音楽は凄くないものを作ってるのかって、そんな話じゃない。
上に書いた通り、卓越した技術の上で、上品に遊んでいるんだ。

そういう凄さもまたあるよっていう感じの話だったのかもしれない。

ありがとうございました。

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