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世界一長いピアノ曲「ヴェクサシオン」

こんにちは。

世界一長いピアノ曲「ヴェクサシオン」(Vexations)について。

「ヴェクサシオン」(Vexations)というピアノ曲は、フランスの作曲家エリック・サティ(1866-1925)により作曲されました。サティは、「音楽界の異端児」としても有名です。

題名の意味のヴェクサシオンには「嫌がらせ」「癪の種」「自尊心を傷つけるもの」等様々な意味で訳され、不快感を意味する曲としても独特ですが、52拍からなる1分程度の曲を840回繰り返す曲として、ギネスに認定された世界一長いピアノ曲でもあります。

ちなみに、ショパンの「マズルカ作品7‐5や作品68‐4」、サティの「スポーツと気晴らし」第16曲「タンゴ」等の終わりがなく永遠に繰り返しされる曲や、ジョン・ケージの「ASLSP」等の演奏時間を約639年もかけるものが、楽譜化されたより長い曲として存在はしていますが、ギネスに認定された繰り返しありきの曲で世界一長い曲は「ヴェクサシオン」のようです。

長い曲だけあって、サティの楽譜には「このモチーフを連続して840回繰り返し演奏するためにはあらかじめ心の準備が必要だろう もっとも深い沈黙と真剣な不動性の姿勢によって」とも書かれているそうです。
実際の演奏では、テンポの指定がないため、全曲で18時間から25時間まで幅があるといわれています。

演奏に関しては、サティ本人は、実際に聞くことはなかったようで、サティの死後38年後に、複数のピアニストによるリレー演奏の形で、初演奏が行われました。

その数年後の1967年には、英国の音楽学者リチャード・トープが約24時間の演奏で、この作品の初のソロ演奏を行ったとされています。また、ピアニストのピーター・エヴァンスは1人で演奏しようと試みましたが、595回弾いたところで幻覚症状に陥り演奏をやめたとも記されています。

日本初演は、16人の演奏家によって、1967年大晦日昼前に演奏が開始され、年越し1968年元旦の朝に終了した、との記録が残っています。

最後まで、お読みくださりありがとうございます。

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