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独白

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#小説

堕落の使者

自分の生み出したものに価値を見出せなくなった時から、おれは全てに価値を認めるのを辞めた。

馬鹿馬鹿しい。如何しておれが色んなもんに価値を見出してやらねばならんのだ。

花は勝手に咲いてりゃ良いし、宝石は勝手に輝きゃ良い。そんなもん、おれの知ったことじゃない。

多分拗ねていたんだと思う。しかし、今では拗ねていたことさえ忘れてしまっている。

七〇過ぎりゃ矩を踰えずと言うが、おれには全体矩が無い。

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