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生と詩

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見るがらくた。
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記事一覧

あああああ

我々は生まれながらにして
人間的であると言う烙印を押される
その貴賤については終ぞ議論がなされぬままに
人の股座から生まれ出でた瞬間から
我々は人間である
そうあれかし そうあれかし
その是非を問われることは、終ぞ無い。

我々は答えを探している
だが我々は答えを見詰めるには余りに臆病だ
然してその無力は他者を傷付けるに充分で
理解出来ないと言う単純な命令すらも
理解出来ないものの様に思わせる

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夜明け

夜明け

時計の音に混じり
臓物を啜りながら
語り掛ける者が居る
悪しきものが
覆い被さる時
鳥の羽音の様な
声を聞くだろう
夢と現の狭間に
微睡が在る様に
生と死の間に
我々は居る
諸君
夜が明けるぞ

めざめ

見よ!
何たることか
屍体に湧く蛆虫の様に
彼等は止まる所を知らない
産めよ増やせよ地に満ちよと
誰かが云い
四苦よ八苦よと
誰かが云った
彼等はその狭間で
ぐるぐると目を回し
蒼褪め赤らめ大童
ほら聞こえぬか
痛烈に愉快で
この上無く哀れな
偽りの信徒の産声が一つ
また上がったぞ

Mammon

悪魔は其処彼処に犇き
我等に強欲たれと囁く
然しもの臆病も
寄り集まれば大胆だ
それは黴菌の様に
我等を蝕み喰らい尽くす
手繰り寄せる糸が
繋がる先の
赤黒く歪む首輪は
その目には見えない
それは時として
生命よりも重く
羽毛の様に軽い
我々によって支配され
我々を支配する
嗚呼
それが罪であった刻は
喪われて久しい

2021/04/08

諸君

退廃の原野に立ち
厭世の呼吸を満たす諸君

終わりなき夜辺に立つ
暁の望郷者よ

君たちは自らの血で
渇きを慰める

月と太陽
終わりなき連綿の
その狭間で
罪と罰を繰り返す

水槽に閉じ込めた月
瓶の底の生と死を
美酒に酔う様に
一滴まで舐め尽くす

愚者は
天球に満ち満ちた美の造反者が
善であることを知らない

賢者は
呼吸に閉じ込めた郷愁が
永遠では無いと知らない

希望も自由も聞こ

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生と詩

今夜死にます

蒸せ返る程息詰まる
死への希求が訪れる
僕の幸せ願う人に
嘘を吐くことが堪えられぬ
どうしてこんな死にたいんだ
別に不幸な訳でなし
どうしてこんな死にたいんだ
別に孤独な訳でなし
どうしてこんな死にたいんだ
恐らくただの碌でなし
だから今夜
今夜僕は
今夜死にます
物思うことも憂鬱も
別に大したことじゃない
思い倦ねて悩むのも
特別変わったことじゃない
何だ何でだ何なんだ
何が何だ

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