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舞台『OVER SMILE2024』感想(2024/03/02 13:00/17:30)

舞台『OVER SMILE2024』@あうるすぽっと
上演時間はカーテンコール込み約2時間40分、休憩なし

推しの成松さんに、木村さん、飯山さん、沖野さん、あと一度観たいと思っていた林さんが出演するのと、刀剣乱舞2.5茶屋の特典に日本号が入っている期間だったのでそれと抱き合わせで観に行くことにしました。

ただ、あらすじと推しのビジュアルを見て「私が好きなタイプの舞台ではなさそうだ」という直感があったので、期待ハードルを下げて観ました。

作品としては期待ハードルは悠々超えてくれたし、よくできているとは思います。
けれど、「好きか?」と言われると個人的には「うーん、好きとは言えない」と感じる舞台でもありました。
正直、マチネを観た後「今日これをもう一回観るのか……」となって、ソワレを観るのをやめようかと思ってしまいました。そう思ったのは『フェティシズム蒐集・いち』以来2度目ですが、あれはパイプ椅子が痛すぎだったからなので……うん。
(あうるすぽっとの椅子は殺陣で揺れるけれど2時間半座っても大丈夫です)

一応、2度目は印象が結構変わったので、2度観て正解でした。

話の構造は好きで、最後の方の伏線回収はすごいと思います。
しかし、観ていて不快なところがあったし、主演二人の物語にイマイチ乗れなかったし、推しがなんか微妙だったし、最後が好きではなかったしで、好きとは言えません。

ここからある程度ネタバレありで「良かったところ」と「引っかかったところ」を挙げます。
「引っかかったところ」の途中から大きいネタバレをするので、見てない人は気をつけてください(大きいネタバレの前に【ここから大きいネタバレ】という文字を入れています)。


良かったところ

恵太

木村さんのツッコミ属性がすごく恵太に合っていて、物語のいいアクセントになっていたと思います。木村さんご本人よりちょっと気弱で、ワードセンスがあるのが良かったです。
これまで観た木村さんの役で一番好きです。

リッチモンド

推しが配信で「図師さん推し」と言っていたのですが、確かにめちゃくちゃ推しが好きそうな役だなと思いました。
推しが大好きそうなコメディパートもやりながら、クライマックスでドナルドからの「命令」に返した言葉はカッコよかったです。

リュウソウ、ドナルド、コロンバス

それぞれタイプの違う「顔がいいクズ」の供給ありがとうございます!
舞台上のクズは大好きです!
縣さんは「消された声」でも違うタイプのクズだったけれど、T-geneのキャスティングの人、クズな縣さん好き?

引っかかったところ

スーの笑顔

スーは終始とても可愛かったけど笑顔が割と自然で、タイトル通り「笑顔が『オーバー』だったか?」と言われると疑問符がつく感じでした。「無理して作っている笑顔」ではなかったような気がします。

レオナのいじられ

初演の14年前ならOKだったのかもしれないけど、今は令和。観ていてあまり気持ちは良くなかったです。
年齢をいじった台詞はソワレは男性しか笑ってなかったです。地獄。

ちなみにこの作品には他にもファミリーネームなど「笑って欲しいところ」が何箇所かあるのですが、私は好きではない感じの「笑い」が多かったです。
私は一切笑えませんでした。

シュフ

この感想を書いていて一番頭を抱えたところ。
今回なんで観ても気持ちが上がらなかったのか考えたのですが、演じる推しが悪いのか脚本・演出が悪いのか「シュフが微妙」というのが大きいと思い至りました。

というのも、他の役は概ねわかりやすいキャラクターなのにシュフだけ役のバックボーンがよくわからない、焦点が合わない感じがしたのです。

レッド・エイジの人間で、ミヤビと結婚するくらいなのだから「昔はかなりギラついてたのかな?」と想像しています。ただ、ああいう感じになったのは何かあったのか、歳と経験を重ねたからもしれないけど、そこらへんがほぼ説明がないのでなんともかんとも。


【ここから大きいネタバレ】


ミヤビをかばって倒れるとこまではまあ良かったです。
慎重で物事を見極めようとしていて、色々飲み込んだ上でミヤビを愛していた。
それでよかったんです。
しかし、治療を受けてからが納得いかなかった。

突然「十人十色」、「◯◯◯◯(※流石にネタバレが過ぎるので伏せました)」とこの物語の核心に関わることを次々と言い出して「はぁ?」となりました。

核心なので誰かが言い出す必要があるのはわかるし、この物語でそれを言えそうなのはレオナかシュフしかいないのもわかります。でもあまりに突然すぎました。
もうちょっと「核心」に近いことを事前に匂わせて欲しかったです。
それかレオナとシュフで台詞を分けるとかすれば良かったような気がします。

ベラルーシの「色盲」から至るこの物語の「結論」

最後の方でベラルーシが自らが色盲であると告白し、老人がベラルーシを引き合いに語ってこの物語が閉まるのですが、正直その結論はちょっと安っぽいと思いました。
ちょっとだけ当事者の方とお仕事を一緒にしたことがあるのですが、そもそも「色盲」と「境界線のない」というのは違うと言いたいです。


作品本編の出来とは分けて考えていますが、運営もイマイチでした。

  • 近くに上演中何回も前のめりになったり、突然腕をあげたりする人がいたりと客席のマナーがかなり悪かったわりに、注意喚起が上演前のアナウンス(聞いて欲しい人は聞いていない)だけ

  • キャスト一人につき3種類、全90種の缶バッチガチャ500円

  • 「缶バッチガチャをやるための500円玉の両替機が故障している」というアナウンスが会場でしかなかった(マチネとソワレの間に直っていたが、故障中はスタッフさんが両替していた)

  • プレゼント・手紙一切禁止。代わりにメッセージが書ける木製プレート3000円
     プレゼント・手紙一切禁止→しょうがない
     キャストにメッセージが送れるものを有償販売→理解はできる
     木製プレート→木製?! いろんな意味で重たくない?
     1枚3000円→強気だな……

  • 会場受取のトレカ(キャスト別各5種)の柄の偏り(10枚中5枚同じ柄、残り5枚も3枚は同じ柄)

最後の方は私の呪詛ですが、良かった約340字、引っかかった約1040字なので、やっぱり私この舞台好きじゃないみたいですね。

以上です。

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