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S.Q.S. Episode 10「月野奇譚 太極伝奇 -干戈騒乱-」(2024/01/27 12:30)感想

注意!
ネガい感想です。「良かった!」と思っている方は読まない方がいいです。

推し(オリジナルキャラクターの真国第一皇子、高昕役)を観るため、初めてツキプロのコンテンツとしてスケステEp10「月野奇譚 太極伝奇 -干戈騒乱-」を履修しました。

簡単な感想は

  • 推しはすごく良かった

  • 他キャストも良かった

  • でも第一部の芝居パートは過去5年現地で観た舞台でワーストクラスで合わなかった
    (参考までに他の「現地で観たけど合わなかった舞台」は少年社中の「トゥーランドット-廃墟に眠る少年の夢-」と刀ミュの「葵咲本紀」)

  • 芝居パートより歌もキャラも知らない第二部のダンスライブパートの方がよほど楽しめた

  • A4の紙両面+αの事前知識が必要な芝居を作るな、舞台上で語ってくれ

です。

推し演じる高昕は演技も衣装もメイクもすごく良かったです。あの衣装で殺陣までやっててすごいな、と思いました。
そして他のキャストさんも演技、そしてダンスライブも頑張っていらして皆さん好感が持てました。

ただ、芝居パートの話がとにかく説明不足で全然乗れませんでした。

問題点1:芝居パート(干戈騒乱)の設定が二階建

スケステの公式サイトを見ても説明がないので私なりの理解ですが、第一部の芝居パート(以下、干戈騒乱)は「SolidS(ソリッズ)とQUELL(クヴェル)というアイドル(?)ユニットのメンバー8人が演じる舞台」だと思っています。

で、干戈騒乱を観るには

  1. SolidSとQUELLのメンバーの設定

  2. 「干戈騒乱」という舞台の設定

の2つを知っておくべき、というのが初心者には高いハードルでした。

それなのに1つ目のSolidS, QUELLのメンバー設定についてはスケステ公式サイトにはメンバーの名前と演じるキャストさんのお名前しか載っていません。ペンライトがグッズとしてあるのに、公式サイトでは各メンバーのペンラの色すらわからないです。

ラストの方でSolidSのあるメンバー2人がお互いを「ダーリン」、「ハニー」って呼ぶシーンがあって「???」となったのですが、観劇後偶然Xでその二人が公式で互いを「ダーリン」、「ハニー」と呼んでいるらしいということを知ってなんとも言えない気持ちになりました。

もう1つの干戈騒乱の設定についても公式サイトだけでは情報が不足していたのですが、それは次の項以降に書きます。

問題点2:干戈騒乱を把握するにはA4のチラシ両面の事前知識+αが必要

先ほど飛ばした二階建の設定のもう一つが今回の演目「干戈騒乱」の設定の把握。その「干戈騒乱」のオリジナル設定の多さが次のネックでした。

今回劇場に入るとA4両面フルカラーのチラシが配られました。

まず片面は干戈騒乱時点の「世界情勢」が描かれた紙。
地図と劇中世界の古代〜近代までの流れ(これまで上演された別ユニット主演の2作と本作がどの時代の話だったかが書いてある)、そして本作の舞台である真王朝の4人の皇子の説明が書いてありました。

そしてもう片面に書かれているのは登場人物9人(SolidsとQUELLの8人とゲストキャラクターのInfinit0の数寄川零)の相関図と人族と獄族の説明、そして「本編前のできごと1」・「本編前のできごと2」。

この面に書いてあることがどれも重要で、比較的重要そうではない「本編前のできごと1・2」は小さな字で書かれていて読み飛ばしたくなるのですが、これが罠。
それを読んでいないと真国第四皇子の柊羽陣営にいきなり獄族3人が加わっているように見えました。

また、推し演じる高昕については27日の午前2時にスケステのXに投稿された幕間 「月野奇譚 太極伝奇 -干戈騒乱-」外伝 『昕 ー日の出は遠くー』(※軽くネタバレあり)を見た方が理解できたりと、とにかく舞台本編じゃないところで芝居パートを理解するのに必要な情報が多く提示されていました。

舞台本編で話は完結してほしい派の自分にとってはちょっと許せないところが多かったです。

問題点3:干戈騒乱本編で一部設定が生きていない

「設定が多いから必要な事前知識も多い」というのは「事前情報を入れない主義」の私も悪いと思ってはいます。
ですが、その設定の一部が本編で描写不足などで生かしきれていないのはすごく気になりました。

「人の王」柊羽の陽の気

一番問題だな、と感じたのは「人の王」真国第四皇子の柊羽の設定の描写が不足していたこと。

柊羽は「陽の気が膨大」で、それ故に「人の王」となりうる人間という設定だったのですが、その肝心の「柊羽の陽の気が尋常ではない」という要素が「柊羽の陽の気がすごい」という類の直接的な台詞以外にろくに描かれておらず、もっと別の描写で「柊羽の陽の気」について語る必要があると感じました。

例えばダンスライブパートでの柊羽の歌唱力は素晴らしかったので、歌で「すごい陽の気」を表すなど、この重要設定が垣間見える演出があればより深い印象を残せたのではないかと思います。

人族と獄族の「契約」

そしてもう一つがA4のチラシにも書かれていない「契約」という大きな設定。

「契約」は人族一人と獄族一人とで交わすもの(多分)で、人族は獄族に何かしらの対価を払うことで獄族と契約し、獄族の力を得て強くなる。一方の獄族も契約をすればさらに強くなるし、本来動けない昼も動けるようになる、という設定と理解しています(他に御札と「笹熊」という小さなパンダのような生き物もついてくる)。

で、クライマックス間近で高昕軍との圧倒的兵力差+夜明け前という危機的状況に陥り、メイン8人の人族と極族がそれぞれペアを組んで契約します。

あのタイミングで「8人が契約をする必要性がある」ことについては理解できました。
しかし「なんでそのペアになるのか」の説明はあまりなくて、一番雑なのだと「君、インドアでしょ? なら◯◯の方がいいじゃん!」という感じだったので「は?」となりました(古代中華風の世界なのに「インドア」と台詞で言っていたのはスルーします)。

観劇後、スケステ公式Xがキャラデザの方の「御札の文字はそれぞれ対になる人とのデュエットソングのタイトルからデザインしました」というポストをリポストしたので、「そんなんSQ(SolidSとQUELL)履修してなきゃわかるわけないやん!!」となりました。

あと契約すると人族も強くなると確か言っていたはずなのに、クライマックスの零&柊羽VS高昕戦で、契約していない高昕1人が契約している2人と互角に戦えていたのもどうよとなりました。

まとめ

キャストの演技やダンスライブパートは素晴らしく、SolidsとQUELLのメンバーたちや推しの魅力は存分に楽しめました。
ただ、芝居パートの話の構成や設定が大きく説明不足だったので、スケステファン以外の他の層にアプローチするためにも今後はどうか改善してほしいです。

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