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TOEFL対策【45点〜60点:コミュカレレベル】

TOEFL iBT 45〜60点の勉強は、英語の基礎力をしっかり固める重要な時期です。このスコア帯にいる方は、高校生や大学生、また社会人といった幅広い層がいると思いますが、共通して抱える課題も多いでしょう。多くの場合、日常会話はある程度理解できても、アカデミックな内容や複雑な表現になると難しさを感じる方がほとんどです。

実際、私自身もこのスコア帯を抜け出すまでには多くの試行錯誤を重ねました。

この記事では、アメリカのCommunity College入学を目指す方が求められるTOEFL iBT 45〜60点のスコア達成に向けた勉強法をお伝えします。私が実際に行って効果があった学習法を元に、各スキル(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)のバランスを取りながらレベルアップを目指しましょう!


リーディング:単語力と基本文法を重視!

まずは、単語をしっかり覚え、基礎的な文法を確実に身につけることが重要です。この段階で英字新聞に挑戦するのは少し早いかもしれません。英字新聞を読めるようになりたい気持ちは理解できますが、新聞の英語は特殊な表現や文法が多く、アカデミックな英語の基礎が固まっていないと逆に混乱することもあります。

単語力の強化

TOEFLのリーディング問題にはアカデミックな内容が含まれており、特に生物学や地学、心理学といった分野の単語は難しいものが多いです。しかし、経済学や数学、社会学などの分野には比較的理解しやすい単語もあります。この段階では、簡単なアカデミック英語に触れることで自然と語彙力を強化しましょう。

英単語アプリの活用も便利です。私は『キクタンTOEIC990』を使っていました。この教材はやや難しいと感じるかもしれませんが、TOEIC上級レベルの単語集には、TOEFL中級レベルの単語が多く含まれており、iBT60点までに必要な語彙力を身につけるのに役立ちます。

さらにおすすめなのが、College CatalogのCourse Descriptionを読むことです。少し変わった勉強法ですが、とても効果的です。College Catalogには大学のプログラムやコース内容がまとめられており、たとえばAnthropology(人類学)のコース説明を読んでみると、以下のような1年生向け授業の概要が掲載されています。

Anthropology of Magic, Witchcraft, and Religion 3 UNITS
This course examines magic and religion from a cross-cultural perspective. Emphasis is placed on understanding supernatural beliefs, practices, and rituals in their social contexts including societies in Africa, Oceania, the Americas, Asia, and elsewhere. Anthropological theories of magic and religion are explored.

Anthropologyのコース説明

まず「Magic」や「Witchcraft」という単語に疑問を抱くかもしれませんが、この文脈ではもちろん「手品」ではありません。説明文の中の「cross-cultural perspective(異文化的視点)」や「rituals(儀式)」といった単語も新しい発見ではないでしょうか。

例えば、「This course examines magic and religion from a cross-cultural perspective.」というセンテンスを分解してみましょう。
 This course(この授業は)
 examines(調べます、検証します)
 magic and religion(魔術や宗教)
 from a cross-cultural perspective(異文化的視点から)
このように分解すると、全体の意味がつかみやすくなりますよね。

次に、コミュニケーション学部のコース説明も見てみましょう。

Oral Interpretation of Literature 3 UNITS
This course provides both a theoretical and a practical exploration of the oral interpretation of literature. Attention is given to art appreciation, art criticism, and analysis as it relates to the performance of literature in various genres. The oral interpretation of traditional literary genres of poetry, prose, and drama is practiced, as well as newer and more diverse modes of expression such as spoken word and other cultural forms of artistic expression. Emphasis is on the effective interpretation, communication, and performance of various literary works.

コミュニケーション学部のコース説明

少し難しく感じるかもしれませんが、こういったリーディング練習を繰り返すことで自然と英語力が向上し、留学後に安心して授業登録や履修計画を進められるようになります!

簡単な文章の要約練習

シンプルなテキストから文章を要約する練習をしてみましょう。要約は、内容の要点を把握し、無駄な情報を取り除く力を養うため、リーディング力と理解力を向上させるための効果的なトレーニングです。TOEFLのリーディングセクションでは長文の読解力が求められるため、要約練習を通じて効率よくポイントを捉える力を身につけましょう。スピーキング、ライティングにも応用できます。

【例題】この文章を要約してみてください。
Reading is one of the most effective ways to improve language skills. It helps people learn new words and understand how sentences are structured. When people read, they also get to know more about different ideas and cultures. Some studies suggest that reading can improve memory and concentration as well. Overall, reading regularly has many benefits for both language and personal development.
【要約例】
Reading improves language skills, vocabulary, and sentence structure, and it can also enhance memory and focus.

意外と簡単ですよね?このように、まずはざっくりとした要約で良いので、ぜひ挑戦してみてください。

基本文法の復習(ライティングと共通)

文法がしっかりしていないと、主語と動詞、目的語と修飾語などの関係を正確に把握するのが難しくなります。その結果、リーディングでは長文問題の意味を誤解したり、必要な情報を見つけるのに時間がかかってしまうこともあります。また、ライティングでは、文法の正確さが基礎的な評価項目の一つです。文法の基礎ができていないと、内容が良くても基礎水準に達していないと判断されることがあります。

『Grammar in Use』などの中級レベルの文法書を使って、基礎的な文法を復習しましょう。この教材はCommunity CollegeのESL科目でも使用されているので、慣れておくとアメリカ留学後の授業でも役立ちます。
*『English Grammar in Use』はイギリス英語がベースなので、アメリカ英語版の『Grammar in Use』を選ぶのがおすすめです。

実際に私が受講した大学のESLの先生は、TOEFL採点者向けに文法指導もしている方でした。その先生によると、リーディング力とライティング力には強い相関があり、文法の正確さがスコアに大きく影響するとのことでした。基本的な文法ミスはシステムで検出され、文法がめちゃくちゃだと採点者が内容に集中できないようです。TOEFLスコアアップにおいて、文法は特に重要なポイントだと言えます。

リスニング:日常的な発音や会話に慣れる

リスニング力を向上させるためには、日常会話や基本的な英語の発音に慣れることが大切です。まずはゆっくり話される英語を聞き、内容を正確に理解することから始めましょう。

耳を慣らす

最初は、ゆっくり話されるリスニング教材を使って耳を慣らしましょう。おすすめの教材は『VOA Learning English』や『ESL Pod』です。特に『VOA』はテーマやレベル別に分かれているので、自分のレベルや興味に合ったトピックから始めると、より理解しやすくなります。

シャドーイングをする

シャドーイングは、聞いた音声をそのまま繰り返して発話する練習方法です。最初は短いフレーズから始め、少しずつ長めの文章に挑戦していきましょう。徐々に難易度を上げることで、スピーキング力も同時に鍛えることができます。

リスニング教材を選ぶ際には、スクリプト(文字起こし)付きのものを選ぶことが重要です。聞き取れなかった部分をスクリプトで確認しながら復習することで、理解が深まります。特に、「a/an/the/on」などの冠詞や、単語が繋がって発音される部分は初心者には聞き取りにくいものです。たとえば、「at all(アトール)」や「a lot of(アロッタブ)」などのフレーズは自然な会話で音が変化しやすく、聞き取りの難易度が上がることがあります。スクリプトを使って聞き取れなかった箇所を復習しましょう。

ライティング:シンプルで正確な文章を心がける

シンプルでわかりやすい文章を書く練習は、ライティング力の向上に直結し、得点アップにもつながります。最初は自己紹介や趣味について書くなど、簡単なテーマから始めてみましょう。

エッセイを書く練習

200〜350語程度で、自分の好きなものや将来の目標について書いてみましょう。自分の意見をまとめることで、ライティングの基礎が身につきます。以下の例題に挑戦してみてください。

例題
In your opinion, is it better to work from home or in an office? Provide specific reasons and examples to support your answer.

解答例①
I think it is better to work from home. First, working from home is comfortable. You don’t have to spend time on commuting, which saves time. Also, you can work in a relaxed environment and take breaks when you need. This makes it easier to concentrate. For example, when you feel tired, you can rest without asking anyone. Working in your own space also helps you focus better. These reasons make working from home a better choice than working in an office.

解答例②
In my opinion, working from home is better than working in an office. First, it saves time and money on commuting. For instance, I don’t need to spend hours on crowded trains, which reduces my stress and allows more time to focus. Second, I can arrange my workspace as I like and take breaks when needed. This flexibility helps me maintain my productivity. Finally, working from home allows me to balance my work and personal life more effectively, as I can adjust my schedule to meet both needs.

解答例①と②では、どちらがより良いエッセイでしょうか?①も良いですが、語彙や構文がシンプルで基本的な理由のみを挙げているため、やや弱い印象です。一方、②は「commuting」「reduces stress」「productivity」といった語彙を使い、「for instance」や「which reduces」のような表現で論理的な流れが生まれています。接続詞や関係代名詞を使って文章をスムーズにつなげ、具体的な状況を描写している点が評価を上げるポイントです。

以下の例題もぜひ挑戦してみてください:
例題②
Some people think that protecting the environment is the responsibility of individuals, while others believe it is the responsibility of governments. Which view do you agree with and why? Use specific reasons and examples to support your answer.
例題③
Do you agree or disagree with the following statement? Social media has a positive impact on communication. Use specific reasons and examples to support your answer.

基本構成を学ぶ

エッセイは次の構成を守って書くことが大切です。この基本構成は、エッセイのわかりやすさと論理的な流れを保つためにも重要です。
①導入(Introduction):エッセイ全体のテーマや自分の意見を簡潔に述べます。
  ↓
②本文(Body):自分の意見をサポートする具体的な理由を述べます。各段落で1つの理由を詳しく説明します。
  ↓
③結論(Conclusion):再度、自分の意見をまとめて結論を述べます。

例題: Do you prefer studying alone or studying in a group? Provide reasons and examples to support your answer.
解答例
(導入)In my opinion, studying in a group is more effective than studying alone.
(本文1)First, group study allows students to discuss challenging topics, leading to a deeper understanding. For example, when I have difficulty with a concept, a peer might explain it in a new way, helping me grasp it more easily.
(本文2)Second, group study provides motivation. Studying with others keeps me focused and committed, as everyone encourages each other to stay on track.
(結論)For these reasons, I believe group study offers greater benefits than studying alone.

Community Collegeでは、米国人学生でもエッセイやペーパー提出前にWriting CenterTutoring Officeに行って先輩やスタッフにレビューしてもらうことが一般的です。それだけアカデミックライティングは難しく、重要視されています。実際、現地の学生もレビューを受けながら何度も書き直し、苦労して完成させています。だからこそ基本構成を意識してエッセイを書く訓練を重ねることで、確実にスコアアップできる科目です!

スピーキング:シンプルに伝え、スムーズに話す

TOEFL iBT 45〜60点レベルでは、スピーキングの際に自分の意見を明確に伝え、スムーズに話すことが重要です。内容が整理され、簡潔でわかりやすいスピーチができるように練習を重ねましょう。

基本構成を意識する

スピーキングでも、
導入(Introduction)
 ↓
理由1(Reason 1)→理由2(Reason 2)
 ↓
結論(Conclusion)
の流れを意識すると、話の内容が整理され、聞き手にとって理解しやすくなります。

テンプレートフレーズを覚える

各基本構成に使えるフレーズを覚えておくと便利です。これらのフレーズを活用することで、論理的に話せる印象を与えることができます。
導入
In my view, I believe that…
From my perspective,…
I would argue that…
理由や詳細説明
The main reason is that…
Another reason is that…
This is because…
What I mean is…
To be specific…
例を述べる
For instance…
A good example of this is…
To illustrate…
結論
In conclusion…
All things considered…
For these reasons…

簡単な質問に答える練習を重ねる

45〜60点のスコア帯では、複雑な内容を話すのではなく、短くても自分の意見を伝え切ることが求められます。たとえば、「Do you prefer coffee or tea?」のような簡単な質問に対しても、テンプレートフレーズを使って理由を添える練習をしてみましょう。こうした練習を積むことで、意見をスムーズに組み立てる力がついてきます。

話すスピードと発音を意識する

無理に早く話そうとするよりも、ゆっくりで構わないので正確に発音し、自信を持って伝えることが大切です。単語の発音が不安なときは、リスニングで紹介したシャドーイングの練習を活用して、発音とリズムを整えましょう。

英語学習のモチベーション維持

好きなことを通して英語に触れる

TOEFLの勉強にはアカデミックな内容が多く、興味のない分野について英語で学ぶのは大変なこともありますよね。たとえば、「映画について学びたいのに、なぜ人類学の専門用語を覚えなきゃいけないんだろう」と疑問に思うこともあるかもしれません。私も同じように感じることが多々あり、「もっと自分の好きな内容で英語を学びたい!」と思う瞬間がありました。

そんなときは、自分の好きなYouTube動画を活用して、英語の字幕を確認しながら学ぶと、楽しみながら英語力を高めることができます。スポーツ解説や映画のレビューなど、自分の関心のある分野に触れながら英語を学ぶと、勉強がより楽しく、モチベーションも高まります。

コミュニティカレッジ入学後を視野に入れて

コミュニティカレッジに入学すると、一般教養科目として幅広い分野の授業を履修することになります。人類学、生物学、統計学、政治学、環境学など、多岐にわたる分野を学ぶ必要が出てきます。TOEFLの勉強を通じて、こうしたさまざまな分野の基本知識や専門用語に触れておくことは、将来的に必ず役に立ちます。

特に、一般教養のための英語力があると、入学後も無理なく授業についていけるでしょう。好きなことを通して英語を楽しみつつ、「コミュニティカレッジに入学した自分」を思い描きながら、少しずつ日々の学習を積み重ねていくことで、モチベーションを維持しやすくなるはずです。

やればできる!必ずできます!
★夢を追いかけるあなたを応援しています★


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