いちばん高いアメリカのワインはスクリーミング イーグルではなくシネ クア ノンだった?!
今回ご紹介するシネ クア ノン、なんと1本1000万円まで高騰したようです。
先ほど確認したら、今日は売っているところはないようでしたが、世界のどこかにきっとまだあるはずです。
自分とは縁のないものですが、「宝探し」のようで、なんだかワクワクします。
さて、みなさんは「いちばん高いアメリカのワイン」と聞いて、なにを思い浮かべるでしょうか?
何も思い浮かばないという方がほとんどかもしれませんし、オーパス ワン?という方もいらっしゃるかもしれません。あるいは、S.....?
ナパでもっとも高いワイン
目的のワインが世界のどこにいくらで売っているか調べることのできる「wine-searcher」というとても便利なサイトがあります。
そのサイト内で「ナパでもっとも高いワイン」(2020年6月4日)という記事がありました。
ナパは、カリフォルニア州のワイン生産地としてもっとも有名で、サンフランシスコの北にある都市です。
ちなみに、カリフォルニア州はアメリカの西海岸で、この州でアメリカのワインの90%を生産しています。
その記事で紹介されていたもっとも高いワインは、
「Screaming Eagle Sauvignon Blanc」
でした。
$6,339 (70万円; $1=110円換算)です。
1本70万円なんて、驚きませんか。
1本でなんとか7杯になるとして、1杯10万円です。
飲めないですー。
もはや飲み物というより、アートのようなものと思います。
スクリーミング イーグル (Screaming Eagle) について
実はこのScreaming Eagle、Sauvignon Blancであるという点も注目です。
Blancですから、白ワインなんです。
Screaming Eagleを含め、カリフォルニアワインは、基本的には赤ワインが主役です。
しかし、一度主役の座を確固たるものにすると、主役がうみだす他のジャンルが脚光をあびるというのはわかる気がします。
レア度もさらにアップするからです。
偉大な1992年ビンテージ
Screaming Eagle (赤) の最初のビンテージは、1992年で、Cabernet Sauvignonを主体としたものです。
このワインの6リットルボトルに、2000年のオークションでなんと50万ドル(5500万円; $1=110円換算)の値がついたのです。
6リットルということは、通常のボトル8本分ですので、単純に通常の750 mLボトル1本換算で688万円ということになります。
ここであれ?と思いませんか。
先程ナパでもっとも高いワインは、Blancで70万円でしたが、実はその赤はその10倍近い値がついたことがあるのです。
では、今誰かがそれを買うことはできるのか、値段は688万円なのか、という興味が出てきます。そこで、wine-searcherを調べてみますと、世界の中には数百万円で売っているところが数件あるようでした。
6リットルを単純に通常ボトル8本分と考えることが自体が、そもそも誤りなのかもしれません。ボトルの大きさで熟成されやすさが異なるからです。
Robert Parker Wine Advocate (ワイン評価誌) によれば、この1992 Screaming Eagleはすでに飲み頃を過ぎているようです。しかし、これは通常ボトルの場合であって、6リットルボトルの場合はまだまだ飲める状態かもしれないですね。
Screaming Eagle (赤) の価格は、冒頭のwine-searcherの記事では、$3,572 (40万円; $1=110円換算)でしたので、いかにビンテージが重要であるかがわかります。
高い理由 「希少、高評価、人気」
では、この1992 Screaming Eagleは、最初ワイナリーからいくらでどのくらい売られたのでしょうか。
答えは、$50で、175ケースです。
なぜ、こんなにも値段が高いワインに変わっていったのでしょうか。
理由は、主に以下のようなことが考えられると思います。
1. 最初のビンテージでRobert Parker Wine Advocate 99点を獲得したこと
2. 上述のオークションでアメリカワイン史上最高値のワインとなったこと
3. その後もRobert Parker Wine Advocateで高評価を維持していること (100点7回)
4. 希少かつ人気があること
5. 実はリリース価格も相当高くなっていること (すでに$1,500/ボトルを超えている?!)
実はこれらは、たいてい多くのプレミアムなカリフォルニアワインに当てはまることかもしれません。
ちなみに、わたしは15年前くらいにwaiting list (ワイナリーへの購入興味の表明みたいなもの) に登録したはずですが、まだお誘いありません.....。連絡がきても、高過ぎてかえって焦ってしまう気がしますが。
いちばん高いアメリカのワイン
さて、Screaming Eagleの話が長くなりました。話を戻したいと思います。
それでは果たして、いちばん高いアメリカのワインは、Screaming Eagleなんでしょうか。
実は、それを上回るすごいものがあるんです。
それは、「Sine Qua Non Queen of Hearts」(1995年) です。
2014年のオークションで$37,200 (380万円; $1=102円換算) /本で落札されたのです。
しかもこのワインはロゼであるから驚きです。
25ケース(300本)のみつくられたようです。
さらに、Screaming Eagleとの違いは、このオークションの後、価格がさらに高騰したことでした。
現時点でwine-searcherで検索すると、世界中で1本も売っていないようですが、以下のように示されていました。
『Sine Qua Non 'Queen of Hearts' Rose 1995 was last available in April 2019, with an average price of $96,805 USD』
なんと、1本で1085万円 ($1=112円換算)!!!
もうアート以外の何ものでもないですね。
一方で、世界でいちばん高い絵は500億円?!らしいので、実際アートとしてみなされるようになれば、まだまだ高騰するのかもしれません。
どこかでみつけたら凄いですね。
世界中で「宝探し」したらおもしろい?!
お宝のシネ クア ノン (Sine Qua Non)
なぜこんな価格が?
実はこのSine Qua Non、ナパではなく、カリフォルニア州の南部でつくられています。やはり赤が主役であり、SyrahやGrenacheに力を入れています。
実は、Sine Qua Nonは、アメリカでもっともRobert Parker Wine Advocate 100点を取っているアメリカNo.1ワイナリーです (100点23回!)。
そのワイナリーのはじめてのロゼとなります。Screaming Eagle同様、主役が確固たる地位となった際のシナリオどおりですね。
世界一のピンクともいわれているようです。
Sine Qua Nonは、神の雫にも取り上げられましたが、実はScreaming Eagleほどまだ有名ではないかもしれません。まだまだお宝が.....!?
それにしても、1本1000万。アメリカにもケタ違いのワインがあるんです。
いちばん高いのはどちらか..... うーむ、もはやどちらでも良い気がしてきましたが、
Screaming Eagle、Sine Qua Nonともにすごいことは確かですね。
S.....究極のワインです。
価格を気にしてその背後にあるストーリーなどを探究すると、あらたな発見がありおもしろいかもしれませんね。
日本でももっとアート性が取り入られてもよい気がします。
今日もクランクル一家のホームページは、芸術的なステノワードです。
[Header Photo by Adele Payman (@adele_payman) on Unsplash]
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?