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ハーランの別ブランド 〜 ボンド エステート(Bond Estate) 〜

テロワールという言葉を聞いただけで拒否反応を示す人がいるのは残念でならない。というのも、実際にはワイン研究のなかでもとりわけおもしろいテーマだからだ。
ジェイミー・グッド著「新しいワインの科学」より

カルトワインの各々の紹介はこれで最後となります。

90年代後半に、あのHarlan Estate ハーラン エステートのWilliam (Bill) Harlan ウィリアム (ビル) ハーランが立ち上げた「Bond ボンド」をご紹介します。

栽培と醸造のディレクターは、Robert (Bob) Levy ロバート (ボブ) レヴィー。初期よりハーランとボンドプロジェクトに加わってきました。
ワインメーカーは、Cory Empting コーリー エンプティング。2010年に就任。長年にわたりレヴィーと仕事を共にしてきました。

何よりおもしろいところは、ハーランは数種の畑のブドウをブレンドしてつくるのに対して、ボンドは単一畑でその個性を競わせているところ。
ナパ ヴァレーで栽培されるカベルネ ソーヴィニヨンによるテロワールの違いを表現したいという思いがあります。

ナパ ヴァレーの東西南北に点在する 5つの畑からワインをつくっています。位置はこちらをご覧ください。 25年間で携わった80以上もの畑から選抜された畑です。

各々の畑は、ナパの中でも斜面の向きや角度、標高、土壌などテロワールがまったく異なります。
飲み比べたことはないのでわかりませんが、天候に恵まれる西海岸で、どの程度テロワールが味に影響するか大変興味深いです。15年前は比較的リーズナブルな価格であったので数本だけでもそろえておけば…と少々後悔です (苦笑)。まさかここまで高騰するとは思いませんでした…。

ボンドはこれまでに9つの満点 (RPWA) を得ており、すでにハーラン (8つ) をぬきました。
5つの畑のうち評価本数の多い4つの畑で満点を得ていることからも、現時点では畑による大きな開きがあるようにはみえません。まだなんとも言えませんが、将来が楽しみです。
解決されていない疑問への回答を導き出すような取り組みと思います。

そしてボンドは、とにかくラベルが美しいです。
ワイナリーからラベルが送られてきたこともあります。長細い良質のラベルに細かいデザインが施されています。5つの畑に与えられた各々5色の色合いがとても綺麗で集めたくなります。

HPはこちら
なお、HPでbottle identificationもできますので、購入ルートを知ることが可能なのだと思います。

パーカーは2016年に、2013年Vecinaは2071年まで50年をこえて飲めるワインとして紹介しました。

(Photo by Jenna S on Unsplash)

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