カッサーノの好みと自己主張
いまだnoteを使いこなしていないものの、週1は更新しようということで、今回はアントニオ・カッサーノについてです。お時間のある方はお付き合いいただければ幸いです。
カッサーノがレギュラーのボボTV
本題の前に、まずはご存じない方向けに、『ボボTV』の説明を。
『ボボTV』はゲーム配信などで知られる『Twitch』における元インテルFWクリスティアン・ヴィエリ(愛称ボボ)の公式チャンネル。ヴィエリとカッサーノのほか、ダニエレ・アダーニとニコラ・ヴェントラの元インテルの4人がレギュラーメンバーで、その時々のカルチョシーンについて語り合う配信です。この配信があるため、最近カッサーノのコメントが報じられる機会が多くなっているわけです。
イタリア人は自分の意見を主張するのが大好きで、「オレはこう思う」「オマエはどうなんだ」ということを延々と話します。そこに歯に衣を着せたことなどない男が登場するのですから、メディア映えする言葉も投下してくれます。
実際、カルチョイズムでも結構な頻度でカッサーノの発言を取り上げています。もちろんほかの3人もいろいろ発言しているのですが、インテル専門サイトもやはりカッサーノの発言が中心の扱いです。
現役時代同様、個が立っているというのが大きいのでしょう。さらに、ほかの人なら炎上しかねないことでも、カッサーノなら通常運転で済ませられることも一つの要素と言えそうです。
カッサーノの好み
ここからは、カッサーノの発言から見える彼の好みについて。
カルチョイズムの方でカッサーノを取り上げる際は、この辺の前提を端折ったりすることも少なくないので、改めて整理します。
・ルカクはまだ認めない
・コンテは認めない
・イタリアのカルチョは一部を除いて認めない
・バレッラは認めたけど、センシの方が好き
・イタリアの過去の美化して今を否定する傾向がある
といったところ。
主張としては一貫していて、「とにかく攻撃的でスペクタクルなサッカーが好み」というところにいきつくようにみえます。
守備的な選手が嫌いなのではなく、とにかくカッサーノの物差しが「ファンタジー重視」です。
最近だと、「インテルが優勝するけど、イタリアでカルチョをインテルじゃなくてアタランタ」と言ったり、8日のアタランタ戦については「いつも守備ばっかだ。オレだったら10分で交代を要求していたね」と話したり……。
実際そのアタランタ戦は内容的にインテルが厳しい試合でした。それでも、ラウタロ・マルティネスの守備貢献もあって無失点。枠内シュート1本で勝利しました。カッサーノの言わんとすることも分かりますが、なによりも結果。チームは大喜びし、コンテ監督はラウタロの犠牲に拍手を送り、試合後にこう話しています。
「大義のために犠牲になろうという姿勢の表れ。みんなが勝つために犠牲が必要だと理解している。そして、その犠牲は最後の喜びで報われることも分かっている」
ラウタロ・マルティネスというストライカーが守備のタスクを受け入れたということが今のインテルの強さであるという意味でも、コンテの手腕は素晴らしいというのが個人的な意見ですが、内容を求めるのも自然なことで、カッサーノのような意見が出るのも当然と言えば当然です。
イタリア人の自己主張
「オレなら交代を要求している」というあたりにカッサーノが選手として大成しなかった理由の一端があるのは間違いないですが、『ボボTV』はそんなカッサーノの意見も許容していくチャンネルです。
イタリア人が議論好きというのも、結論を出したいわけではなく、互いの意見を言い合うのが好きだから。他人の意見を受け入れつつ、自分はこう、と強く言えるのは彼らの良いところの一つですね。
カルチョイズムも大事なところは守りつつ、揺るがない意志を持った芯のあるサイトにしていきたいとおもっています!
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