見出し画像

届いた本が破れていて悲しくなって凹む

木曜日のこと。

9時に起きる。なんだか体が重い。寝不足だとか暑いからとかそういう理由ではなくて、昨夜に食べたハヤシライスが原因なのだと思う。味が濃いものを食べると、翌日まで胃の中に食べ物が残っている感じがする。唐揚げを食べたり、餃子を食べたり、特に油が多めの物を食べると翌日は高確率でそうなるような気がしてる。これからは、味の濃い食べ物はなるべく控えようと思った。


午前中にキッチンの掃除と換気扇の掃除をする。換気扇は月1ペースくらいで掃除をしておけばすごく楽だなと思う。カバーを外して食器用の洗剤で軽く洗う程度で済む。気分転換にもちょうどいい。


午後からバスに乗って仕事へ向かう。最高気温は30度。湿度も高くて、湿気が肌にまとわりついてくるような感覚がある。

小説で例えるなら、横溝正史の描く世界観にとても似ている。日本独自の湿り気があって、そこには喜びや悲しみ、怒りや嘆き、人の情念が湿気となって肌にまとわりついてくるのだ。

東北というところは、青森でも山形でも、どこへ行っても同じ空気感を感じてしまう。広いようで狭くて、息が苦しくなってしまうことがある。

私が乗るバスは、市内のずっと奥にある小さな温泉郷へ向かう路線バス。いつもはガラガラなのだけど、この日は駅前から40~50代と思われるご夫婦が乗ってきた。服装や荷物の感じからして、誰がどうみても観光客。

カップルやご夫婦なら、バスの最後尾にある2人並んで座れる席に座るのが普通なのだと思っていたけれど、そのご夫婦は一人掛けの椅子に離れて座っていて、目も合わせないし何も話さない。

喧嘩でもしたのかな。それとも長旅で疲れているのかな。とても余計なお世話なのだけれど、ついついそんなことを考えてしまう。

私は旅先や出掛けた先で喧嘩をしたことがない。お金を使って遊びに行ったのに喧嘩をするなんて考えただけでも嫌だ。だからなるべく穏便に済ませたい。例え相手が悪くても、そのことを責めない方がいい。時には少し我慢をすることも必要なのだと思う。

途中から別の観光客のグループが乗ってきて、途端にバスの車内が賑やかになった。コロナも落ち着いて、旅行ができる世の中になったのだということを実感した。

金曜日のこと。

ブックオフで買った本が届く。7冊買ったのだけど、そのうちの一冊は背表紙が大きく破れていて、しかも一部のページは水で濡れたか何かでヨレヨレになっていた。

「どくだみちゃんとふしばな」の8巻。今年の2月に出たばかりだから中古でも550円だった。こんなことになるのなら、あと200円足して新品を買えばよかったと思う。なんだかすごく悲しくなってしまった。


ブックオフに問い合わせをしたら、別のものと交換してくれるとのこと。人がチェックをしているのだから、時にはミスがあるのは当然のこと。だからその人やブックオフを責めているんじゃない。誰にでも間違いはあるのだから。

本が破れていたことの悲しさよりも、吉本ばななさんの本をぞんざいに扱う人がいるということの方が悲しかった。

本の状態を見ると、その人の性格や部屋の中の様子まで、なんとなくだけど見えるような気がしてる。本を適当に扱っている人とは、たぶん一生お付き合いすることはないだろうなと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?