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我が家に初めてパソコンがやって来た話

中学生の頃だった。

父が、「これからはパソコンが出来ないとダメだ」と何の前触れもなく、急に買ってきた。父は、自分がもっと幼い頃に「音楽が出来た方がいい」とキーボードを購入したり、脈略もなくすげぇモノを買うことがある(小学生の時に欲しかったゲームボーイアドバンスを買ってきてくれたのは嬉しかった)。

学校でパソコンの授業はあったけれど、自分のインターネットデビューはこの辺りといっていい。パソコンの授業で友達に見せてもらったおもしろフラッシュ倉庫を一人で訪れたり、2chで生まれて初めて悪意や憎悪にまみれた集団を目の当たりにしたり、「あの頃のインターネット」は、一通り触れた。

当時、既にYouTubeもあったが、この頃は、素人が撮影した画角ブレブレで画質ガビガビのテロップや効果音もない動画ばかりで、「つまんねぇサイト」と思ってほとんど見てなかった。「デュエマなんて流行らんやろ」と全然買わず流行に乗れなかったり、小中の俺は先見の明がなさ過ぎる。

そのほか、ワザップにガセ情報を掴まされて他人を簡単に信用していけないことを学んだりもして、楽しいインターネットライフを送っていたのだが、まぁ思春期だったので、人並みに「エロいサイトも見てぇな」みたいな欲望も出てくる。

ただ、中々行動には移せなかった。先にパソコンを持っていた同級生からパソコンに関しては恐ろしい話を聞いていたからだ。

「履歴を調べられて親にエロいサイト見てたのがバレた」

という話。しかも2人いた。思春期男子にとってエロと同じぐらい大切なのは、エロに興味があるということを家族にバレないことだ(テレビでお色気シーンが流れても家族の前だと一切表情を変えないような奴だった)。

でも、どうしてもエロい画像が見たくて、「ギネス 胸」とか「世界一 胸」とか「世界一胸が大きい女性」とか検索した。仮に履歴を見られても、「真面目に興味の対象としておっぱいを調べてる」というテイを作った。

ただ、それだけだと、結局、おっぱいだけが目当てな奴だと思われる(思われるというかそうなのだが)かもしれないので、「ギネス 身長」、「舌の長さ世界一」、「目から牛乳が出る人」といったカモフラージュ検索もして、「とにかく世界一の人間に興味がある奴」を演じていた。なんていうか、書いてて自分で情けないよ。

それだけ苦労して遠回ししてバスト160センチの人の写真にたどり着いていたあの頃の自分に伝えたい。

「履歴 消し方」で検索しろよ。

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