誰のせいにもできない
イマイチな人生を送っている。
恋人ができたことがない。恋愛が全てではないけれど、やはりこの事実は虚しい。学校帰りに女の子とサイゼに行って異常な安さのピザを分け合ってみたかった。
恋人だけじゃない。僕には喜びや感動を分かち合えるような友達もいない。どん兵衛を開けたらハート型のきつねが入ってても「ヤバい!」とLINEを送れる相手がいない。
おまけにお金もない。同世代では家庭を築いてマイホームの購入を検討してる人だって多くいるのに、僕はボロアパートで一人特売のカップ麺をすすっている。
完全に負け組だ。大負け組。
たまに、自分の置かれてる状況に発狂しそうになることがある。真っ暗な部屋で布団に入ってる時なんか特に危ない。そんな時は、Google先生やTwitter君に頼って自分と似たような人生を歩んでる人を見つけ出してホッとしている。共感は最大の安心だ。
広いネットの海で発見した自分と似たような人生を歩んでる人。何故そうなってしまったかというと、家庭環境に問題があったり、社会での人間関係に馴染めなかったり、他者に原因があることが多い。
「そうそう。自分も同じようなことが...あれ、ないぞ?」
全くない。考えて考えて考えたけれど、ホントにない。今の自分の現状、誰のせいにもできない。
家庭環境。決して裕福ではなかったけれど、かといって貧乏というわけでもない。人並みに小遣いはもらえていたので、欲しいゲームやおもちゃを我慢することはあまりなかったし、誕生日は毎年ケーキでお祝いしてもらえた。「給料日前はデパートの試食コーナーで飢えをしのいだ」みたいなエピソードも当然ない。
家族との関係も特筆すべきようなことはなく、母に暴力を振るわれたことも、父が浮気をしたこともない。きょうだいとの関係も至って良好である。強いて言うなら父が社員旅行でお土産のまんじゅうを業者レベルの量で購入したことが火種となり、家庭内が冷戦状態になりかけたことはあるが、大学にまで通わせた息子からまんじゅう買いすぎの過去の一点で責められるのは酷な話だろう。
学生生活。目立つ存在ではなく、スクールカーストは最下層に属していた。一軍のヤンキーから雑にいじられることはあったが、物を隠されたり、無視されたり、「いじめ」というほどの経験はしていないと自分では思っている。学生時代に起こった最大の事件は「深夜の校内に生卵が投げ込まれ事件」というシュールなものだ。
習い事の先生も、バイト先の社員さんも、よく通ってたおもちゃ屋の店長もみんないい人。
こうして文字に起こしてみても、誰のせいにもできないという事実がより明確になっただけだった。書かない方がよかったかも。
でも、似たような境遇の人がこの投稿を読んで安心して今夜ぐっすり寝てくれたら嬉しいです。
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