見出し画像

80歳夫婦イタリア絵画旅行記 (9)

《イタリア旅行・雑記》
(4) 西へ西へひたすら西へ
 ミラノ中央駅から列車で北へ、そしてベネゴーノ・スペリオーレ駅に。 駅員も人影もない田舎?の駅。バスは勿論、タクシーなど全くないところ。とにかくここからカスティリオーネ・オローナに向けてひたすら西へ西へ歩くしかありません。携帯で"北"を確認し、ひたすら西へ歩き始めました。妻と横並びする余裕もない道幅、曲がりくねったり、上がったり下がったり、その上、前から後ろから例の如くかなりのスピードの車が、危なくて気が気でなく、妻を振り返り振り返り確かめながら…。
 本当に良く付いて来てくれました! 足の痛みは無いか? 聞く度に気丈夫に「大丈夫!」を繰り返して歩いてくれました。妻は美術大学日本画科で6年間同期で、恩師発案の「ヨーロッパ美術の旅」ツアーの初回に参加しました。(その後、同様に何回か企画実施されました) 私は初回時、生憎肝臓を悪くして断念!!   が、3年後の第2回目に参加出来ました。 イタリア内はほぼ同じような所を訪れていましたので、このカスティリオーネ・オローナは二人共に2回目となります(と言っても50年前と今回で)  ツアーでは30人ほどで、大概が教会や美術館・ホテルの前の前まで同じバスで連れて貰えたので、何の苦労も有りませんでしたが…。今回フリーの二人旅となると当然ですが、何もかもがたいへんでした。それは覚悟の上で、見たい絵・行きたい所を選んで目指す私案の旅でした。
 ただもう少し旅立ちまでに調べが整っていれば、旅先の苦労も半減したかもしれませんが、数ヶ月掛かっても充分な計画や調べは出来ませんでした。今はネットを屈指するとあらゆる詳細が出て来る時代ながら、情報量が多いため、逆に時間もかなり必要でした。
 こうして目的地に向かって歩を進めるごとに、あの建物か?この教会か?と迷いました。目立つ門があって行ってみたら、そこは大きな墓所の入り口だったようで。そこに居た年配の人達に尋ねてみると、どうやらまだ先で、尖んがった塔のある所だと両手で形を作って教えてくれました。そうした人達と別れて歩き始めると、かたわらの教会から葬儀の列が出て来られました。心焦りながらも、二人で手を合わせて黙礼し、通り過ぎるのを待って、そしてまた歩き出しました。
 更にいくらか歩いている内に、やがてアーチ型の小さい城門?や古い町らしい佇まいの道に迷い込み、右かな?左かな?と進み、丸い石を敷き詰めた石畳の細い通りを曲がった奥の奥、少し開けたような広場が見え、その先遠く、屋並みの向こうに尖った塔の先が見えました!!  あれが目指した教会だと直感しました。その一画はカスティリオーネ・オローナ地域の西北の一番奥の隅、小高い丘の上にありました。

カスティリオーネ・オローナ
あの塔が…

*拙い文を読んで頂きありがとうございました

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?