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80歳夫婦イタリア絵画旅行記 (19)

【イタリア・あの愛しい人達に】
マントーヴァ (1)
  ミラノを発つにあたり、まだまだ見ておきたかった物がいろいろありましたが……当然ながら机上の計画のようにはなかなか進みません。断腸の思いを残しながらも次へと歩を進めました。
 ミラノ駅から列車に乗り込みマントーヴァを目指しました。マントーヴァはミラノから東方へ約130km。乗り換えなどもなんとかスムーズに行き、お昼過ぎにマントーヴァ駅に降り立ちました。あまり人影も無く心細い思いもしましたが、掲げられていたタクシーの看板の番号に電話をすると、ほどなくタクシーが来てくれて、運転手は重い大きな旅行カバンをさっさとトランクに運び込んでくれました。

マントーヴァ駅前のタクシー案内板

 目的のパラッツォ・ドッカーレ(ドッカーレ宮殿)の入口前で下車し、いざ!マンテーニャのあの代表作への思いに心が躍りました。重い旅行カバンをロッカーに預け巡回路へと進みました。
 どこの名所見学も大きな所は結構そうしたことがありましたが、一番のお目当てに行き着くまで、決められた順回路に従いあっちこっちの各部屋の展示場をぐるぐる回り、階段を上がったり下がったり、また庭を通り抜けて別棟へと導かれ、なかなか本命へ行き着かず、焦ったりくたびれたりしながら進みました。かなりの運動量の末、部屋から部屋への小さな入口を通り抜けた時、アッと驚きと共に親しく馴染んだマンテーニャのあの絵が飛び込んで来ました。
 嘗ての印象より以外と小さめの角部屋にマンテーニャの力作が展開されていました。何度も見て来た画集などのあの場面、あの顔・この顔・あの姿と次々と目に飛び込んでくる絵に感激もひとしおでした。

La Camera degli Sposi(結婚の間)
北壁面(右)・西壁面(左)
写真:CLASSICI DELL'ARTE RIZZOLIより

この部屋は"La Camera degli Sposi"と言われ「結婚の間」とか「夫婦の間」とか訳されていますが、アンドレア・マンテーニャ(1431〜1500年)が、マントーヴァ候ルドヴィーコ・ゴンザーガ3世に依頼されて、そのゴンザーガ家一族郎党を描いたもので、今で言うと家族郎党の記念撮影のようなものになっています。息子のフランチェスコ・ゴンザーガが枢機卿になったことを記念して描かれており、マンテーニャが34歳(1460年)から9年間を掛けて描いたようです。

*拙い文をお読み頂きありがとうございました

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